The 57th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Digital Oral

一般心臓病学

デジタルオーラルII(P3)
一般心臓病学 3

指定討論者:廣田 篤史(国立循環器病研究センター 小児循環器内科)
指定討論者:本村 秀樹(国立機構長崎医療センター 小児科)

[P3-5] フォンタン児の運動生活1年間の効果と課題

渡邊 義教 (患者保護者)

Keywords:フォンタン, 運動, 生活習慣

背景フォンタン患者の運動は効果が見込まれ突然死が少ないということで、推奨している論文が多い一方で、その安全性を指摘する論文もあり、患者としてはどう考えればよいか難しい。小学3年生のフォンタン患者に、有酸素運動と筋トレのいずれかをほぼ毎日1年間実施した結果として、課題を抽出し、課題解決補助の可能性について検証する。目的日々の運動を実施する中で課題を明らかにする。更に、これを支援するシステムを開発し、効果を検証する。方法およそ1年間、ほぼ毎日運動をする生活を継続し、その効果と課題を明らかにする。有酸素運動(早歩き、自転車)と筋トレのいずれかを行う。筋トレは週2日から3日実施する。結果先天性心疾患児が運動する場合、以下の問題点がある。スポーツクラブなどで運動することは管理面・体力面で不安があり難しい。そのために、運動の指導と管理を全て保護者が行うことになり、時間的な拘束が大きい。子供の状況を運動中に確認する方法がない。1年間の運動生活の結果以下の効果があった。運動を好きになり習慣化できた。運動以前には、転倒が多く怪我が多かったが、大きな転倒をしなくなった。閉眼片足立位の保持時間も伸びた。考察運動方式の違いとして、以下のことが分かった。筋トレは安全性が高く効果がわかりやすいが、有酸素運動に比べて、子供が楽しく実施することが難しい。技術が必要で、年少児が正しく実施することが難しい。有酸素運動は、熱中してくると運動強度が上がりがちで、どこまでやってよいのか不安になる。結論よい生活習慣は、親から子供へのプレゼントである。日常の中に体調を維持・改善する活動を取り入れることは、長期的なQoL向上に必要である。しかし、知識不足、不安がある上に、効果が体感しづらく、一生、継続実施することは容易ではない。運動成果の見える化によるやる気づくり、運動の管理補助によって、楽しく習慣化できる仕組みが必要である。