[P32-1] 新生児期にCone手術を施行した重症Ebstein病1症例の中期転帰
Keywords:Ebstein病, Cone reconstruction, TR
【背景】重症Ebstein病に対する新生児期Cone reconstructionの報告は近年散見され、比較的良好な成績である。乳児期以降の手術例の三尖弁輪は成長すると報告されているが、新生児期施行例については報告がない。当院で新生児期にCone reconstructionを施行した重症Ebstein病例の術後2年の経過を報告する。【症例】2歳、男児。在胎20週時にEbstein病, severe TR, PAと診断した。在胎36週2日にPR出現、在胎36週5日に胎児水腫となり、在胎36週6日に帝王切開で出生した。出生体重 4050g。Ebstein病(Carpentier 分類B), severe TR , functional PA, PDA, ASDと診断、三尖弁形態や右室圧(TRPG 42mmHg)から2心室修復の方針とした。高肺血流の進行および経時的なTR増悪による循環不全が進行したため日齢17にCone reconstruction、肺動脈弁交連切開、ASD閉鎖(3mm fenestration付きePTFEパッチ)、PDA結紮を施行した。三尖弁縫着は適宜結節縫合を追加しながら7-0 monofilament糸の連続縫合で行い、最終的にHegar(Zscore=-0.7)が通過した。人工心肺離脱は問題なく循環は成立、心房性不整脈、巨大血栓によるIVC閉塞、乳び心嚢水などで管理に難渋したが、術後2ヶ月で退院した。退院時SpO2 93% (室内気)、現在SpO2 90%台後半で推移している。TSは一貫してごく軽度、TRは術直後mild-moderateで現在moderate、三尖弁輪径は退院時 -1.5z、術後5ヶ月まで-3.0~-2.5zと成長しなかったが、以後徐々に成長し、現在-1.5z付近で経過している。術後2年での心臓カテーテル検査ではRAP 6mmHg, RVEDP 5mmHg, LAP 5mmHg, TR moderateと良好な結果であった。【結論】新生児期にCone reconstructionを施行した重症Ebstein病症例の三尖弁は、少なくとも術後2年間は経時的な弁輪の成長が認められ、弁機能も良好に維持されている。