The 57th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Digital Oral

術後遠隔期・合併症・発達

デジタルオーラルII(P34)
術後遠隔期・合併症・発達 3

指定討論者:萩野 生男(千葉県こども病院)
指定討論者:泉 岳(北海道大学)

[P34-5] 当院における完全大血管転位症の大血管転換手術後の遠隔期成績

田中 秀門1, 桑原 直樹1, 寺澤 厚志1, 山本 哲也1, 桑原 尚志1, 川口 祐太朗2, 渕上 泰2, 岩田 祐輔2 (1.岐阜県総合医療センター 小児循環器内科, 2.岐阜県総合医療センター 小児心臓外科)

Keywords:完全大血管転位症, 大血管転換術, AP window

【背景】完全大血管転位症(TGA)の大血管転換術後(ASO)の合併症として肺動脈狭窄(PS)や冠動脈狭窄などが知られている。【方法】当院で1993年1月から2015年12月までにTGAに対してASOを施行され、術後5年以上経過している患者を抽出し、術後カテーテル治療や再手術を要していない非介入群(N群)とカテーテル治療や再手術を行った介入(I群)に分け比較検討した。【結果】対象患者は37人(男28人)、年齢は10歳9ヶ月(6歳0ヶ月-27歳8ヶ月)、観察期間は9年4ヶ月(5年3ヶ月-26年11ヶ月)。遠隔期死亡は認めなかった。N群は21人(男16人)、I群は16人(男12人)であった。N群は13例がPSに対してカテーテル治療を施行しており、そのうち1例は術後4年でPTCAも施行していた。PTAで改善を認める症例は術後2年以内に改善を認めていた。1例がPTA後にtraumatic AP windowを認めた。9例が外科介入をしており、8例が肺動脈形成術、2例がCABG、1例がAP window閉鎖術を施行した。RV圧/LV圧比はN群で全例0.5未満、I群で13例が0.5未満、3例が0.5-0.8。なお、術後初回の介入群のRV圧/LV圧比は4例が0.5未満、8例が0.5-0.8未満、2例が0.8-1.0、2例が1.0以上であった。左右肺血流は片側が7割以上であるものがN群2例、I群1例認めた。両群にAR/PRは有意差を認めなかった。介入群では1例NSVT, 2例AFLを認めた。【考察・結論】ASO後のPSは自己組織であり、既知の報告通り術後早期のPTAが有効であった。一方で遠隔期のPTAは合併症としてAP windowに注意しなければならない。2例に冠動脈狭窄を認めたが、治療介入することで良好な転機となった。