[P45-3] 小児期より冠攣縮性狭心症で予防内服での中期フォロー中に心室細動によって院外心停止をきたした1例
Keywords:院外心停止, 冠攣縮性狭心症, 心室細動
【背景】冠攣縮性狭心症(VSA)は冠攣縮により生ずる症候群で、喫煙に関係し50歳代以降に多く、小児期においては稀でフォロー報告も少ない。今回小児期にVSAと診断され予防内服中に心室細動(VF)により院外心停止に至った症例を経験したので報告する。
【症例】18歳男性。10歳時X日就寝中に胸痛発症しX+2日後にER受診。CK 918 U/L、TnI 20.317 ng/mlと上昇を認めたが心エコーでは異常を認めず入院経過観察となった。X+3日に再度夜間胸痛あり、ECGで2,3,aVf,V4-6のST上昇を認めVSAと診断した。X+5日に循環器内科と心臓カテーテル検査施行、冠動脈起始異常や冠動脈瘤を認めず、LCXの造影遅延・支配領域の収縮不良を認めVSAにより軽度の梗塞を起こしたと診断した。脂質異常は無く、喫煙者の家族に禁煙指導し、Ca拮抗薬、アスピリンの内服を開始した。フォロー中怠薬に伴う軽度胸痛と軽度TnI上昇エピソード反復するも、複数回のトレッドミルとホルターECGでは運動で変化しないVPC散発のみで経過観察していた。18歳時Y日運動中に気分不快を自覚、休憩後立ち上がる際に倒れbystander CPR開始された。付近のAEDにて初期波形VF、除細動によりROSCし救急搬送された。来院時、軽度胸痛持続しECGで2,3,aVfでST低下と陰性T波を認め、VSAに伴うVFによる心停止と診断し循環器内科と治療方針を検討、ICUにてニコランジル持続投与を開始した。Y+4日にS-ICD埋め込み施行し、神経学的後遺症なく退院した。現在は循環器内科転科し外来通院中である。
【考察】小児期発症のVSAは稀であるが、今回の症例のように心停止に至る症例も報告されており慎重なフォローを必要とする。
【結語】VSAの小児発症例でフォロー中に心停止に至った症例を報告した。文献的考察を交えて報告する。
【症例】18歳男性。10歳時X日就寝中に胸痛発症しX+2日後にER受診。CK 918 U/L、TnI 20.317 ng/mlと上昇を認めたが心エコーでは異常を認めず入院経過観察となった。X+3日に再度夜間胸痛あり、ECGで2,3,aVf,V4-6のST上昇を認めVSAと診断した。X+5日に循環器内科と心臓カテーテル検査施行、冠動脈起始異常や冠動脈瘤を認めず、LCXの造影遅延・支配領域の収縮不良を認めVSAにより軽度の梗塞を起こしたと診断した。脂質異常は無く、喫煙者の家族に禁煙指導し、Ca拮抗薬、アスピリンの内服を開始した。フォロー中怠薬に伴う軽度胸痛と軽度TnI上昇エピソード反復するも、複数回のトレッドミルとホルターECGでは運動で変化しないVPC散発のみで経過観察していた。18歳時Y日運動中に気分不快を自覚、休憩後立ち上がる際に倒れbystander CPR開始された。付近のAEDにて初期波形VF、除細動によりROSCし救急搬送された。来院時、軽度胸痛持続しECGで2,3,aVfでST低下と陰性T波を認め、VSAに伴うVFによる心停止と診断し循環器内科と治療方針を検討、ICUにてニコランジル持続投与を開始した。Y+4日にS-ICD埋め込み施行し、神経学的後遺症なく退院した。現在は循環器内科転科し外来通院中である。
【考察】小児期発症のVSAは稀であるが、今回の症例のように心停止に至る症例も報告されており慎重なフォローを必要とする。
【結語】VSAの小児発症例でフォロー中に心停止に至った症例を報告した。文献的考察を交えて報告する。