The 57th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Digital Oral

多領域

デジタルオーラルII(P55)
多領域 1

指定討論者:権守 礼美(認定NPO法人 シャインオンキッズ)
指定討論者:長野 美紀(国立循環器病研修センター 看護部)

[P55-2] 先天性心疾患患者における処置介助シミュレーションを通して得た課題

藤井 ひろみ, 小南 貴和子, 西川 由花, 兵頭 昇, 原田 愛子, 窪野 彩子, 前川 由紀子 (国立循環器病研究センター 看護部)

Keywords:シミュレーション教育, 看護師育成, 緊急対応

【背景】先天性心疾患患者は急激な状態変化に伴い迅速な救命処置が求められる。当病棟は新病院移転に伴い小児科関連病棟が内科・外科混合病棟となり外科的救命処置の経験が少ないスタッフが大半である。処置経験が少ないスタッフは実際の場面で適切な行動を行うことが難しく、救命処置を経験する機会は少ないためOJT教育では限界がある。そのため教育の一環として疑似体験目的で緊急時外科処置介助のシミュレーションを実施したところ、スタッフの育成方法に関する課題が見出されたため報告する。【目的】シミュレーションを通して先天性心疾患患者の急変時対応の課題を検討する。【方法】夜勤帯を想定した急変時シナリオを作成し、ブリーフィング・シミュレーション・デブリーフィングを実施。実践内容、デブリーフィングでの発言、アンケート結果をもとに考察を行った。【結果】急変時対応の流れや役割に応じた行動内容を理解できていたが、実際の場面で実施できるという自信にはつながっていなかった。またデブリーフィングではこうすればわかりやすいという学びを共有できていた。【考察】1回のシミュレーションでは経験が少ない場面の雰囲気を知る、自己の課題が明確になるまでにとどまる。しかし、急変時対応では個々の知識や看護技術に留まらず、コミュニケーション能力やリーダーシップ・メンバーシップを効果的に発揮できるスタッフの育成が必要である。そのため臨床での実践力を習得するために継続した学習ができる環境の提供が必要である。【結論】シミュレーション教育によって実際の場面のイメージ化につながり、理解を促すことにつながるが、実際の急変時場面で学習した内容を活かした行動ができていたか評価はできておらず今後の課題である。実際に経験する機会が少ない状況を学ぶためにシミュレーション教育と共に反復学習ができる環境の提供やOJTでの教育内容を充実させる。