[P8-2] Border-line HLHSに対するHybrid stage 1 -Hybridは二心室修復に到達するための条件を明らかにできるか?-
Keywords:Hybrid stage 1, bPABs, HLHS
【背景】大動脈弁狭窄(vAS)合併大動脈弓離断(IAA),大動脈縮窄(CoA)のようなborder-line HLHSでは,早期には二心室修復が可能か判断できない。両側肺動脈絞扼術(bPABs)は,次の手術戦略を決定する時間的猶予をもたらす.【目的】Hybrid strategy(bPABs + PDA stent)を組み込んだ治療戦略のもとで二心室修復可能な条件を検討.【対象】Hybrid stage 1を行ったvAS合併IAA 9例,CoA 8例.重度MS,hypo LVは除外.【結果】<経過>二心室修復6例(Arch repair + 心内修復術4例,Norwood + Rastelli手術2例).Fontan track 4例.待機中5例.Hybrid周術期死亡なし.<大動脈弁輪径AOVAの変化>(AOVA 平均Z-score, Hybrid前 ; 後)・Arch repair群(-4.3 ; -3.4),術後早期Ross手術1例(-4.8 ; -4.2).・Norwood + Rastelli群2例(-4.9 ; -4.6),・Norwood + BDG 3例(-3.8 ; -3.7),・AOV重度の解放不良2例.<二心室修復不能要因>・LV発育不良75%.・重度MRのためMV閉鎖手術25%.・心室中隔欠損狭小化によるRastelli不能25%.【考察】・Z-score -4前後のAOVAがborder-lineと思われ,それ以下のAOVAでのArch repairは難しい.・解放不良AOV合併例では,AOVに対する外科的形成術あるいはカテーテルインターベンションが奏功しない限りArch repairは無理.・bPABsに対するバルーン拡張,心房間交通の外科的狭小化などの左心系への血流増加を促す介入が,二心室修復成功例を増やす可能性がある.しかしFontan trackへの変更例が存在するため,肺血管抵抗の上昇や左心房圧上昇などジレンマがつきまとう.・PG投与による不安定なPDA管理では,上記のような詳細なフォローアップは不可能.【結語】Border-line HLHSに対し積極的に二心室修復を目指すことはchallengingである.複雑な評価を必要とする管理を行う上で,Hybridによる安定したPDA管理により理想的な手術方法時期を決定できる意義は大きい.