[I-OR07-01] リンパ節穿刺下動的MRリンパ管造影による中枢リンパ管の評価
キーワード:中枢リンパ管, 動的MRリンパ管造影, リンパ節穿刺
【背景】リンパ節穿刺下動的MRリンパ管造影(Intranodal Dynamic Contrast-enhanced Magnetic Resonance Lymphangiography; IN-DCMRL)は鼠径リンパ節を穿刺後,ガドリニウム造影剤を注入しながら3次元高速グラジエントエコー法で複数回撮影することにより,その動態を追跡し中枢リンパ管を評価する方法である。この方法により,中枢リンパ管の病的状態について高い空間分解能で評価することが可能となった。しかし,本邦における導入事例は少ない。【目的】IN-DCMRLによる中枢リンパ管の評価を導入する際の問題点について検討すること。【対象と方法】対象は2019年9月から2021年12月までに当院でIN-DCMRLを行った4例(年齢11.1±5.3歳,体表面積0.98±0.3m2)。MRIはPHILPS社Ingenia 1.5Tを用いた。IN-DCMRLは,鼠径リンパ節をエコーガイド下に穿刺した後にガドブトロール0.1ml/kgを緩徐に注入し,eTHRIVEで20-30秒ごとに撮影した。成功・不成功,全身麻酔の有無,有害事象の有無,所見などについて比較検討した。【結果】検査手技は4例中3例において成功した。3例とも全身麻酔で行われており,いずれも胸管からの逆流所見がえられた。3例のうち2例は胸管塞栓ないしは破砕術を行い症状の改善がえられ,1例は治療計画中である。不成功に終わった1例は局所麻酔のみで検査手技を行ったが,穿刺後MRIに移動するときに体動のため穿刺針の位置が変わってしまっていた。【まとめ】IN-DCMRLはリンパ節穿刺を要すること,穿刺針の固定性を保つことなどから,導入が困難ではあるが,導入後は検査手技としては安定し,治療に結びつく結果がえられる。