[I-OR07-03] カテーテル検査室内で測定可能な、血管造影画像を用いた肺血流量左右比の自動測定
Keywords:血管造影, 肺血流シンチ, 肺血流量
【背景】末梢性肺動脈狭窄を伴う先天性心疾患の治療計画を立てる上で、左右肺血流量比(Qp-LR比)の測定は重要である。通常、Qp-LR比は肺血流シンチ(RI)で評価基準であるが、追加の放射線被曝や麻酔、コストが課題となる。以前われわれは、肺動脈造影(PAG)の画像から肺血流量の左右比を算出するアルゴリズムを開発報告したが、用手的操作が多いことが課題であった。(Plos one 2021;16(6):e0253565)【目的】以前のアルゴリズムを改良したQp-LR比を自動計測する解析ソフトウェアの実用と正確性を臨床的に検討すること。【対象と方法】書面同意を得た上で、心臓カテーテル検査でPAGと前後30日以内にRIを施行した先天性心疾患10例(20±26ヶ月,女4例)。PAG正面像から本ソフトを用いてOff line解析を行った。透視装置はInfinix Celeve-i INFX=8000V(キヤノンメディカルシステムズ)を用い、PAGは通常量の造影剤(イオパーク300)を使用して15~30fpsで全肺野が画角に入るように撮像しDICOM画像で保存。自動解析計測は、1.各左右肺領域にシンチ同等の関心領域を設定、2.領域内画像輝度平均値の時間変化曲線作成、3.各左右の時間輝度曲線の傾き最大値を求め、4.その比からQp-LR比を求めるという手順で求め、RIの結果と比較した。【結果】10例全例でQp-LR比の自動計測が2分以内に実施できた。PAGによる左肺/右肺血流量比は18~92(56±22)%で、RIの結果とはr=0.84, p=0.0023と良好な相関を示した。平均Bland-Altman bias は0.15であった。【結論】今回開発した自動計測ソフトにより、PAGを用いたQp-LR比は全例On siteで計測可能で、RIと高い相関を示したことより肺血流シンチに代わりうる有用な方法と思われる。