The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演

電気生理学・不整脈

一般口演11(I-OR11)
電気生理学・不整脈 II

Thu. Jul 21, 2022 3:10 PM - 4:00 PM 第7会場 (ルーム204)

座長:豊原 啓子(東京女子医科大学 循環器小児科)
座長:安田 東始哲(やすだクリニック小児科・内科 小児科)

[I-OR11-05] 先天性心疾患を合併する新生児・乳児期早期不整脈症例に対するフレカイニドの有効性と危険性

吉田 修一朗1, 永田 佳敬1, 佐藤 純1, 吉井 公浩1, 今井 祐喜1, 西川 浩1, 大橋 直樹1, 櫻井 寛久2, 野中 利通2, 櫻井 一2 (1.JCHO中京病院 小児循環器科, 2.JCHO中京病院 心臓血管外科)

Keywords:フレカイニド, 上室性頻拍, 先天性心疾患

【はじめに】フレカイニドは日本で数少ない小児に対して適応がとられている不整脈薬である。一方成人ではCASTstudyの結果等により器質的心疾患症例には使用しにくいとされている。【目的】先天性心疾患を合併する新生児、乳児期早期不整脈症例でのフレカイニドの有効性、危険性を検討する。【方法】2016年から2021年に先天性心疾患治療目的で入院した新生児384例を対象とし、生後60日以内に不整脈に対してフレカイニド内服を施行した23例について後方視的に検討をおこなった。投与量は基本100mg/m2 分3でおこなった。原疾患、不整脈種類、投与開始時期、有効性、副作用、予後につき評価を行った。【結果】対象は、単心室修復を目指す症例が6例(内4例は無脾症候群)、残りの17例は2心室修復を目指す症例であった。不整脈は心房頻拍(AT)6例、リエントリー性上室頻拍(SVT)17例。投与開始時期は中央値14(6-60)日、手術後に投与開始は17例(術後9(4-26))日であった。有効であった症例は19例(83%)であった。効果がなく他薬剤への変更は2例あった。副作用として術後胸水遷延・腹膜透析併用例での中毒、日齢1の開心手術後早期投与例で一過性の房室ブロックを認めた。死亡退院は2例であったが、いずれも不整脈関連死ではなかった。【考察】新生児・乳児期早期先天性心疾患合併例のAT、SVTに対してのフレカイニドの有効性は高く、安全に使用できると考えられた。一方で腎機能低下症例、新生児期早期手術例では副作用を認め内服中止、投与量の調整が必要であった。そのような症例で使用する場合は血中濃度モニタリングを綿密に行うと同時に、通常よりも投与量を少なくする、投与間隔をあける等の調整が必要と考えられた。【結語】先天性心疾患を合併する新生児、乳児期早期不整脈症例に対してフレカイニドは安全に使用でき有効性も高い。