[I-P1-2-04] 小児循環器領域における心筋血流シンチグラムでのQuantitative Gated SPECTによる心室容積・駆出率の評価は可能か?
Keywords:心筋血流シンチグラム, QGS, 心室機能
背景:RIによる心筋血流イメージング(Myocardial Perfusion Imaging: MPI)において、QGS(Quantitative Gated SPECT)プログラムによる解析を行うことで、心室容積や駆出率、壁運動を計測することが可能である。小児循環器領域、特に先天性心疾患領域ではその有用性・他のモダリティとの相関は明らかではなく、特に右心室の解析においては前例が乏しい。目的:小児循環器領域におけるQGSによる心室容積・駆出率が他の画像評価とどの程度相関するかを調べること対象と方法:2011年4月~2021年3月31日までに当科で行われたMPI において、QGS解析可能であった549症例についてLVとRVに分けてアンギオ画像・MRI画像、心エコーでの心室容積・駆出率評価と比較した。左室解析に関しては比較のため同期間に川崎病による冠動脈障害でMPIを実施した113症例をコントロールとした。結果:LVEF計測ではQGSでの計測とアンギオ(n=310、r2=0.482、 p<0.0001)、MRI(n=225、 r2=0.491、 p<0.0001)、エコー(n=501、 r2=0.351、 p<0.0001)とも良く相関が見られ、川崎病のコントロール症例とほぼ同様であった。サブ解析では正常形態左室・単心室左室でも同様の相関が得られたが、肺心室左室ではアンギオ(n=19、 p=0.28)、MRI(n=16、 p=0.14)とも相関しなかった。RVEFではQGSとアンギオ画像(n=94、 r2=0.405、 p<0.0001)・MRI(n=88、 r2=0.378、 p<0.0001)と良く相関するが、エコー計測(n=158、 p=0.13)とは相関しなかった。右室が高圧になる肺高血圧右室、単心室右室、体心室右室ではアンギオ、MRIとも相関するが、正常圧右室では相関が得られなかった。(vsアンギオ p=0.32、 vs MRI p=0.68)結論:小児循環器領域でも正常左室・単心室左室であればQGSは駆出率評価に使用できる。右室でも肺高血圧右室、単心室右室、体心室右室であれば一定の評価は可能である一方、低圧系となる肺心室左室・正常圧右室での評価にはまだ耐えない。