[I-P1-3-04] 4D-flow MRIを用いた、先天性心疾患を伴う肺高血圧症患者における主肺動脈の血流動態解析
キーワード:CHD-PAH, energy loss, helicity
【目的】4D-flow MRIを用いて、先天性心疾患を伴う肺高血圧症 (CHD-PAH) の主肺動脈 (MPA) における血流動態を評価した。
【方法】榊原記念病院にて心臓MRIを施行したCHD-PAH5例と正常ボランティア3名の計8名を対象とし、MPAのenergy loss (EL) と血流内粒子のスピン回転方向を表す値であるhelicityを測定した。ELは一心拍中の最大値 (peak EL) と合算値を求め、合算値は体表面積 (EL/BSA) およびcardiac index (EL/BSA/CI) で除し標準化した。Helicityは時計回転を正、反時計回転を負とベクトル量で定義し合算値を算出した。4D-flow解析は、Cardio Flow Design社製iTFlow1.9にて行った。
【結果】CHD-PAH群の平均年齢は27.6±14.2歳、正常ボランティア群の平均年齢は27.6±14.2歳であった。CHD-PAH群の診断は、2例がファロー四徴症ラステリ手術後、1例が両大血管右室起始症心内修復術後、1例が心房中隔欠損症心内修復術後、もう1例が心房中隔欠損症未修復症例の計5例で、いずれも肺動脈性肺高血圧症を合併していた。ELの合算値は収縮期で有意に高値であった。正常ボランティア群の方がenergy lossの絶対値は低く (p<0.05)、onset Qからpeak ELまでの時間も短かった (p<0.01)。両群共にheicityの合算平均値は正になり、時計回転優位であった。正常ボランティア群の方がheicityの絶対値は低かったが有意差は認めなかった。時計回転helicityの比較では、正常ボランティア群の方が有意差を持って低かった (p<0.01)。また、ELおよびhelicityと右心機能の各パラメーターとの間に相関は認めらなかったが、peak ELと時計回転helicity (r=0.72) および反時計回転helicity (r=-0.77) との間に強い相関を認めた。
【結論】CHD-PAHのMPAにおけるhelicityは時計回転優位であり、正常群に比し有意に高値であった。Peak ELに影響を及ぼすhelicityの定量化は、CHD-PAH病勢判定に有効であることが示唆された。
【方法】榊原記念病院にて心臓MRIを施行したCHD-PAH5例と正常ボランティア3名の計8名を対象とし、MPAのenergy loss (EL) と血流内粒子のスピン回転方向を表す値であるhelicityを測定した。ELは一心拍中の最大値 (peak EL) と合算値を求め、合算値は体表面積 (EL/BSA) およびcardiac index (EL/BSA/CI) で除し標準化した。Helicityは時計回転を正、反時計回転を負とベクトル量で定義し合算値を算出した。4D-flow解析は、Cardio Flow Design社製iTFlow1.9にて行った。
【結果】CHD-PAH群の平均年齢は27.6±14.2歳、正常ボランティア群の平均年齢は27.6±14.2歳であった。CHD-PAH群の診断は、2例がファロー四徴症ラステリ手術後、1例が両大血管右室起始症心内修復術後、1例が心房中隔欠損症心内修復術後、もう1例が心房中隔欠損症未修復症例の計5例で、いずれも肺動脈性肺高血圧症を合併していた。ELの合算値は収縮期で有意に高値であった。正常ボランティア群の方がenergy lossの絶対値は低く (p<0.05)、onset Qからpeak ELまでの時間も短かった (p<0.01)。両群共にheicityの合算平均値は正になり、時計回転優位であった。正常ボランティア群の方がheicityの絶対値は低かったが有意差は認めなかった。時計回転helicityの比較では、正常ボランティア群の方が有意差を持って低かった (p<0.01)。また、ELおよびhelicityと右心機能の各パラメーターとの間に相関は認めらなかったが、peak ELと時計回転helicity (r=0.72) および反時計回転helicity (r=-0.77) との間に強い相関を認めた。
【結論】CHD-PAHのMPAにおけるhelicityは時計回転優位であり、正常群に比し有意に高値であった。Peak ELに影響を及ぼすhelicityの定量化は、CHD-PAH病勢判定に有効であることが示唆された。