[I-P1-3-06] 右室容量負荷のある小児におけるシネMRI右心室容積解析の検討
キーワード:MRI, 右心室容積, 血管造影
【背景】小児における右心室容積は従来血管造影によって算出されることが多かったが、成人領域ではシネMRI法が一般的である。近年正常小児コホート症例の蓄積によってシネMRIを用いた正常小児右心室容積のZスコア算出の報告が散見されるようになった。右室容量負荷のある小児において、従来の血管造影法とシネMRI右心室容積についての関連性を報告する。【対象】2019年9月から2021年11月までにカテーテル検査とシネMRI撮影を行ったASDの18例(6歳~17歳、中央値8歳7か月)。有意な僧帽弁逆流、三尖弁逆流なし。【方法】血管造影:右心室造影の正面・側面像をトレースしGraham法にてangio-RVEDV, angio-RVESV(ml)を測定し中澤らの報告に基づき体表面積で補正し%Nを得た。シネMRI:1.5TのMRI装置を用いてSteady state free precession(SSFP)シークエンスによるシネMRIを撮影。cardiacVXソフトウェア(GE healthcare)を使用し右心室短軸像の全スライスにおいて心内膜を拡張・収縮末期フェーズでmanual traceし容積(ml)を算出し、Lauraらの報告に基づき体表面積と性別で補正しcine-RVEDV%Nを得た。【結果】angio-RVEDV%Nとcine-RVEDV%Nは相関係数R=0.86と強い相関を認めた。一方でBland Altman Plotでは95%一致限界から外れる値がわずかにあり、二手法の一致性までは証明できなかった。【結語】右室容量負荷のある小児においてシネMRI法を用いた右心室容量解析は従来法と強い相関関係を認めた。症例の蓄積によっては血管造影法の代用となり得ることが示唆された。