[I-P1-3-07] 単心室患者の心臓MRI検査における心室駆出率に関連する因子の検討
Keywords:心臓MRI, 単心室, Fontan
【背景】Fontan(F)循環患者の心室駆出率(EF)に影響を与える因子について検討されたまとまった報告はない。我々はF術後患者のEF を心臓MRI検査(CMR)によって計測し、EFと相関する因子について解析した。
【方法】当院でF手術を行った患者のうち、2016～2020年の5年間でCMR検査を行い、かつCMRと1年以内の間隔でカテーテル検査が実施されている患者を対象として、後方視的に検討を行った。CMRでの心室容積は、体心室構造の合計で計測し、純型肺動脈閉鎖（PAIVS）の右室や大動脈閉鎖を伴う左心低形成症候群（HLHS）の左室など、体心室として機能しないものは除外した。
【結果】対象患者は258名(男性151名)。原疾患は三尖弁閉鎖28例(10.9%)、PAIVS 29名(11.2%)、HLHSおよび類縁疾患39名(15.1%)など。F術時の年齢（平均±SD、以下同）は3.4±1.3歳、MRI撮影時の年齢は11.0±5.4歳。心臓カテーテル検査での中心静脈圧（mmHg）9.0±2.0。CMRでの心室容積は拡張末期容積(ml/m2):77.0±22.6、収縮末期容積(ml/m2):35.1±16.0 、EF（％）:55.5±10.2であった。EFは左室型単心室において、右室型単心室より有意に高値であり（57.63±11.2% vs 54.3±9.0%, p＜0.05)、中心静脈圧と有意な負の相関関係(p＜0.05)を認めた。内服薬は施設方針に従い投与されており、ACE阻害剤またはアンギオテンシン受容体拮抗薬（ARB）が245名(95.0%) 、アスピリンが245名(95.0%)、ワーファリンが255名(98.8%)に投与されていたが、ACE阻害薬/ARB投与群では、非投与群と比べてEFが高かった(55.8±10.2% vs 48.8±6.5%, p＜0.01)。
【考察】F患者の心室構造はEFと関連し、中心静脈圧と負の相関を認める。またACE阻害薬/ARBの内服はEFを改善する可能性がある。
【方法】当院でF手術を行った患者のうち、2016～2020年の5年間でCMR検査を行い、かつCMRと1年以内の間隔でカテーテル検査が実施されている患者を対象として、後方視的に検討を行った。CMRでの心室容積は、体心室構造の合計で計測し、純型肺動脈閉鎖（PAIVS）の右室や大動脈閉鎖を伴う左心低形成症候群（HLHS）の左室など、体心室として機能しないものは除外した。
【結果】対象患者は258名(男性151名)。原疾患は三尖弁閉鎖28例(10.9%)、PAIVS 29名(11.2%)、HLHSおよび類縁疾患39名(15.1%)など。F術時の年齢（平均±SD、以下同）は3.4±1.3歳、MRI撮影時の年齢は11.0±5.4歳。心臓カテーテル検査での中心静脈圧（mmHg）9.0±2.0。CMRでの心室容積は拡張末期容積(ml/m2):77.0±22.6、収縮末期容積(ml/m2):35.1±16.0 、EF（％）:55.5±10.2であった。EFは左室型単心室において、右室型単心室より有意に高値であり（57.63±11.2% vs 54.3±9.0%, p＜0.05)、中心静脈圧と有意な負の相関関係(p＜0.05)を認めた。内服薬は施設方針に従い投与されており、ACE阻害剤またはアンギオテンシン受容体拮抗薬（ARB）が245名(95.0%) 、アスピリンが245名(95.0%)、ワーファリンが255名(98.8%)に投与されていたが、ACE阻害薬/ARB投与群では、非投与群と比べてEFが高かった(55.8±10.2% vs 48.8±6.5%, p＜0.01)。
【考察】F患者の心室構造はEFと関連し、中心静脈圧と負の相関を認める。またACE阻害薬/ARBの内服はEFを改善する可能性がある。