[I-P1-3-08] 体心室右室における心筋重量の増加は右心室機能の悪化と相関する
Keywords:体心室右室, 心筋重量, CMR
【背景】修正大血管転位症(ccTGA)の未手術症例や機能的修復後症例、完全大血管転位症(TGA)の心房内血流転換後症例では、解剖学的右心室(RV)が体心室として長期間に渡って全身の循環を支えている。体血圧にさらされている体心室RVでは通常の肺心室RVよりも心筋が肥厚することが知られている。
正常心形態では左心室(LV)への圧負荷・wall stress増加時には、代償性にLVの壁肥厚や心筋重量増加がみられるが、心筋重量増加は心機能や予後の悪化と相関することが示されている。
【目的】systemic RVにおいて心筋重量の増加が心機能の悪化と相関しているか調べることとした。
【方法】心臓MRI検査(CMR)を施行したccTGAもしくはTGA症例のうち、体心室がRVである症例を対象とした。CMRで計測されたRVの心筋重量とRV機能との関係を検討する。
【結果】TGA 13例、ccTGA 8例を対象とし、CMR撮影時年齢の中央値は39.7歳(32.1-47.0歳)だった。
RV心筋重量とRV収縮率(EF)は有意な負の相関関係を示した(p=0.01 , r=-0.53)。さらにRV心筋重量はRV-global radial strain (GRS)やRV-global circumferential strain (GCS)とも有意な負の相関を示した(GRS; p=0.03, r=-0.48, GCS; p=0.01, r=-0.55)。
一方で収縮期・拡張期血圧やRV拡張末期容積(EDV)や三尖弁逆流率は、RVEFやRV心筋重量いずれとの間にも相関関係を認めなかった。大動脈弁逆流率はRV心筋重量と相関関係を認めたが(p=0.04 , r=0.46)、RVEFやRV-GRS・RV-GCSとは相関関係を認めなかった。
またLVでも同様にLV心筋重量とLVEFとに有意な負の相関関係を認めた(p= 0.046 , r= -0.44)。RVEFとLVEFには相関関係を認めなかった。
【結論】体心室RVでの心筋重量の増加は、血圧やEDVとは独立した収縮能低下の予測因子であることが分かった。体血圧の圧負荷にさらされたRVの反応として、一部の患者では過剰にRV心筋重量が増加している可能性が示唆された。
正常心形態では左心室(LV)への圧負荷・wall stress増加時には、代償性にLVの壁肥厚や心筋重量増加がみられるが、心筋重量増加は心機能や予後の悪化と相関することが示されている。
【目的】systemic RVにおいて心筋重量の増加が心機能の悪化と相関しているか調べることとした。
【方法】心臓MRI検査(CMR)を施行したccTGAもしくはTGA症例のうち、体心室がRVである症例を対象とした。CMRで計測されたRVの心筋重量とRV機能との関係を検討する。
【結果】TGA 13例、ccTGA 8例を対象とし、CMR撮影時年齢の中央値は39.7歳(32.1-47.0歳)だった。
RV心筋重量とRV収縮率(EF)は有意な負の相関関係を示した(p=0.01 , r=-0.53)。さらにRV心筋重量はRV-global radial strain (GRS)やRV-global circumferential strain (GCS)とも有意な負の相関を示した(GRS; p=0.03, r=-0.48, GCS; p=0.01, r=-0.55)。
一方で収縮期・拡張期血圧やRV拡張末期容積(EDV)や三尖弁逆流率は、RVEFやRV心筋重量いずれとの間にも相関関係を認めなかった。大動脈弁逆流率はRV心筋重量と相関関係を認めたが(p=0.04 , r=0.46)、RVEFやRV-GRS・RV-GCSとは相関関係を認めなかった。
またLVでも同様にLV心筋重量とLVEFとに有意な負の相関関係を認めた(p= 0.046 , r= -0.44)。RVEFとLVEFには相関関係を認めなかった。
【結論】体心室RVでの心筋重量の増加は、血圧やEDVとは独立した収縮能低下の予測因子であることが分かった。体血圧の圧負荷にさらされたRVの反応として、一部の患者では過剰にRV心筋重量が増加している可能性が示唆された。