[I-P1-3-10] 4D flow MRIで血流解析を行った頸部大動脈弓の1幼児例
キーワード:頸部大動脈弓, 4D flow MRI, 血流解析
【はじめに】大動脈や大動脈弓の形成異常によって生じる乱流は血管拡大をきたすことが知られている.今回、我々は新生時期に大動脈弓の異常が疑われ撮影した造影CTで頸部大動脈弓の診断となった症例が,5年後の造影CTで下行大動脈の著名な拡張を認め4D flow MRIで血流解析を行った症例を経験した.【症例】周産期に異常の指摘なく39週2674gで出生した.チアノーゼの出現はなかったが心雑音と呼吸促迫のため当院紹介となった。心エコーにて右胸心、心内奇形なく大動脈弓の異常が疑われたため造影CTを施行し、頸部大動脈弓、左鎖骨下動脈の起始異常と診断した.転院後は呼吸症状の増悪を認めず外来で経過観察をしていた.5年後のフォローアップで行った造影CTで下行大動脈の拡張を認めた. 4D flow MRIによる血流解析を行ったところ大動脈弓が下行大動脈に移行する部位で渦流が発生し下行大動脈が拡張したと考えられた.【考察】4D flow MRIによる血流解析は大動脈や大動脈弓の走行異常を伴った症例において,遠隔期の血管拡張の予測に有用であると考えられた.