[I-P1-5-04] ベッドサイドモニタ心電図を用いた新生児の心拍変動解析-a pilot study-
Keywords:心拍変動解析, 新生児, ベッドサイドモニタ
【目的】心拍変動(HRV)解析は自律神経機能を反映する有用な指標であり、新生児の領域では自律神経機能の発達やストレスの影響を評価する試みが行われているが、ベッドサイドモニタを用いたHRV解析の報告は少ない。今回、NICU入院となった児のベッドサイドモニタからHRV解析を行い、自律神経機能の経時的な変化を捉えることが可能か検討した。【方法】対象は当院NICUに入院した早産児:P群6例(在胎週数30週6日-36週0日)、新生児一過性多呼吸(TTN):T群6例(出生週数39週6日-41週3日)。心電図データをベッドサイドモニタダイナスコープ8000シリーズ DS-8400システム(FUKUDA DENSHI, CO., LTD, Tokyo, Japan)から抽出し、HRV解析を行った。HRVの解析はMatLAB (MathWorks, Natick, MA, USA)上の独自のプログラムで解析した。8msec毎のデータを1msec毎に変換し、時間領域解析はRR間隔の標準偏差であるSDNN(ms)を、非線形解析はフラクタル解析としてHiguchi Fractal Dimension (HFD)を、幾何学的解析としてポアンカレプロット法でSD1及びSD2を算出した。今回は呼吸の影響の多い周波数解析は実施していない。【結果】P群は修正在胎週数とSDNN、SD1、SD2は正の相関(ρ=0.883, P<0.001, ρ=0.914, P<0.001, ρ=0.800, P<0.001)を認めた。T群は日齢とSDNN、HFD、SD2は正の相関(ρ=0.651, P=0.002, ρ=0.785, P<0.001, ρ=0.612, P=0.004)を認めた。【考察】両群の経時的な自律神経機能指標の変化は児の成熟を反映していると考えられた。【結論】ベッドサイドモニタを用いたHRV解析から自律神経機能の経時的な変化を捉えることが可能であった。通常の臨床で用いる医療機器から自律神経評価が行える意義は大きく、疾患毎の特徴を評価できる可能性がある。