[I-P2-3-05] 胎児期に診断に至らず、生後に治療方針の変更を要した筋性部心室中隔欠損の3例
キーワード:胎児心エコー, 筋性部心室中隔欠損, 発見困難
【はじめに】筋性部心室中隔欠損(以下mVSD)は9割前後が早期に自然閉鎖すると言われるが、大きいと必ずしも閉鎖せず、手術閉鎖は難しい。我々は過去8年間に、胎児診断に至らず、生後に治療方針の変更を要したmVSDを3例経験したので反省とともに報告する。
【症例】症例1; 初診時21w3d。祖母にASD、前児に多指症とASD(自然閉鎖)あり。右胸心、心拡大、心嚢水貯留を指摘され紹介。心嚢水の原因は不明で、右肺低形成に伴う右胸心のみを指摘。38w1d、頭位自然分娩。心尖部に多孔性のmVSDを認め、高肺血流・肺高血圧のため生後2か月で肺動脈絞扼術を施行。その後mVSDが自然閉鎖し、2歳1か月時に肺動脈絞扼解除・形成術。
症例2; 症例1の妹。初診時19w1d。右房拡張のため紹介。特発性右房拡張、軽度-中等度三尖弁逆流、小さな膜様部VSD、ASD、PLSVCの診断。38w5d、頭位自然分娩。大きな多孔性mVSDを併存。高肺血流・肺高血圧のため生後2か月で肺動脈絞扼術施行。1歳半現在mVSDはなお開存し、TR多量のため注意深く待機中。
症例3; 初診時21w3d。膜様部VSDを疑われ紹介。膜様部から流出路に伸展する5mmの大きなVSDと診断。38w0d頭位自然分娩。多孔性で短絡の多いmVSDが併存。一期的心内修復は困難と考え、生後1か月での肺動脈絞扼術待機中。
胎児エコー動画の事後の再検討では、3例すべてに欠損孔・短絡血流を確認できた。
【考按】胎児期、筋性部評価時にはmVSDは描出されず、他の病態の評価時にmVSDが描出されていたため、検者の意識に届かなかった。mVSDの一部では胎児期の治療方針に変更が生じるため、「あるかもしれない」と強く意識しての胎児心エコー動画の検査中・検査後のreviewが必要であり、他病態を有する際は特に要注意と考えた。
【症例】症例1; 初診時21w3d。祖母にASD、前児に多指症とASD(自然閉鎖)あり。右胸心、心拡大、心嚢水貯留を指摘され紹介。心嚢水の原因は不明で、右肺低形成に伴う右胸心のみを指摘。38w1d、頭位自然分娩。心尖部に多孔性のmVSDを認め、高肺血流・肺高血圧のため生後2か月で肺動脈絞扼術を施行。その後mVSDが自然閉鎖し、2歳1か月時に肺動脈絞扼解除・形成術。
症例2; 症例1の妹。初診時19w1d。右房拡張のため紹介。特発性右房拡張、軽度-中等度三尖弁逆流、小さな膜様部VSD、ASD、PLSVCの診断。38w5d、頭位自然分娩。大きな多孔性mVSDを併存。高肺血流・肺高血圧のため生後2か月で肺動脈絞扼術施行。1歳半現在mVSDはなお開存し、TR多量のため注意深く待機中。
症例3; 初診時21w3d。膜様部VSDを疑われ紹介。膜様部から流出路に伸展する5mmの大きなVSDと診断。38w0d頭位自然分娩。多孔性で短絡の多いmVSDが併存。一期的心内修復は困難と考え、生後1か月での肺動脈絞扼術待機中。
胎児エコー動画の事後の再検討では、3例すべてに欠損孔・短絡血流を確認できた。
【考按】胎児期、筋性部評価時にはmVSDは描出されず、他の病態の評価時にmVSDが描出されていたため、検者の意識に届かなかった。mVSDの一部では胎児期の治療方針に変更が生じるため、「あるかもしれない」と強く意識しての胎児心エコー動画の検査中・検査後のreviewが必要であり、他病態を有する際は特に要注意と考えた。