The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスター発表

心不全・心移植

ポスター発表(I-P2-5)
心不全・心移植 I

Thu. Jul 21, 2022 3:10 PM - 4:10 PM ポスター会場

座長:新川 武史(東京女子医科大学 心臓血管外科)
座長:山村 健一郎(福岡市立こども病院 循環器集中治療科)

[I-P2-5-06] 心負荷モデルラットにおけるヒラメ筋の病理所見

浦島 崇1,2, 伊藤 怜司2, 馬場 俊輔2, 糸久 美紀2 (1.総合母子保健センター愛育病院, 2.東京慈恵会医科大学小児科学講座)

Keywords:高蛋白食, 心肥大, ヒラメ筋

【背景】心不全は心拍出量と運動負荷の低下で骨格筋の萎縮からサルコペニアを引き起こす。骨格筋において高蛋白食は筋肥大を惹起することが知られているが、高蛋白食が心不全骨格筋へ及ぼす影響はほとんど検討されていない。【目的】心不全モデルラットを用いて高蛋白食が骨格筋形態へ与える影響を明らかにする。【方法】100-150gのSDラットに肺動脈絞扼術(PABモデル)を施行し右室圧負荷モデルを作成した。術後1-2週に心エコーを施行し右室―肺動脈の圧差が3.5m/s以上を成功例(n=12)として高蛋白飼料(粗蛋白50%)の投与(PAB+HP)を開始した。術後4週に心エコーを施行後、組織学的な検討を行った。コントロールはPABモデルに精製基礎配合(粗蛋白21%)を投与した群(PAB+RP)とshamモデル(非肺動脈絞扼術)とした。骨格筋の形態はヒラメ筋にMasson trichrome染色を行い光顕で評価した。超微形態は10,000倍で電子顕微鏡で行った。【結果】術後4週のエンドポイントにおいてPAB+HPはKaplan-Meier生存曲線で有意に生存率が高かった。ヒラメ筋赤筋の超微形態でshamに比較してPAB+RPでは多くのミトコンドリアが膨化しクリステが消失しz線も離断が目立った。PAB+HPでは障害されたミトコンドリアはほとんど観察されなかった。しかし各群で白筋の形態は維持されておりsham, PAB+RP, HPで明らかな変化は認めなかった。【考察】高蛋白食は心不全ラットの生存率を改善しヒラメ筋の形態を維持した。白筋よりも酸素需要の高い赤筋が心不全による影響を受けていた。ミトコンドリアは障害されるとアポトーシスの誘導、炎症細胞の誘導から筋線維化を引き起こすことが報告されており、高蛋白食はこれらを抑制しミトコンドリアのリサイクル機構を維持している可能性が考えられた。