[I-P2-6-12] 肺動脈閉鎖を伴う両大血管右室起始症の動脈管ステント留置の経験
キーワード:CHARGE症候群, 動脈管, 経皮的ステント留置術
【症例】生後4か月の男児。生後、肺動脈閉鎖を伴う両大血管右室起始症(DORV/PA)と診断し、動脈管依存性肺循環のためプロスタグランディン投与を開始した。また両側口唇口蓋裂、食道裂孔ヘルニア、コロボーマ、多肢症、小陰茎からCHARGE症候群と診断した。経皮的酸素飽和度(SpO2)80%で経過した。口蓋裂や食道胃逆流症による喘鳴を伴う慢性呼吸不全があり成長待機後の手術を計画した。長期プロスタグランディン投与による発熱や静脈路確保困難のため、生後4か月、体重5.4kgで動脈管ステントを実施した。大動脈造影では動脈管径3.0mm(肺動脈側)~5.5mm(大動脈側)~長さ22.1mmであった。5Frガイディングシースを経静脈的に右室から大動脈へ挿入し、5FrJRカテーテルとマイクロカテーテルにより動脈管を通して肺動脈へ0.014インチガイドワイヤーを留置し、冠動脈ステント(MultilinkTM) 径3.5mm長さ18mmを留置した。しかしステント長不足のため追加ステントを試みた際に、留置したステントが右肺動脈へ脱落してしまった。Sterling10mmで右末梢下葉へ圧着留置してbail outした後、冠動脈ステント(Xience SkypointTM)径4mm長さ28mmを動脈管に再留置した。ステント留置後、SpO2 75-85%で経過し、生後8か月で口唇形成術、生後11か月に両側精巣固定術を先行して実施後、生後1歳2か月、体重7.6kgでRastelli手術(Yamagishi導管径16mm)を使用した。術後心臓カテーテル検査では右室圧38/4mmHg、肺動脈圧30/3(14)mmHgと良好であり、bail outしたステント内にも狭窄は認めなかった。【結語】動脈管ステント脱落したがbail outし、新たなステント留置後体重増加、手術の合併症の手術を終え心内修復術へ到達できた。