The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスター発表

染色体異常・遺伝子異常

ポスター発表(I-P2-7)
染色体異常・遺伝子異常 II

Thu. Jul 21, 2022 3:10 PM - 4:10 PM ポスター会場

座長:栗嶋 クララ(厚生労働省)
座長:永井 礼子(北海道大学病院 小児科)

[I-P2-7-09] 12歳から高尿酸血症,脂質異常症を合併し,18年間経過観察中の成人Down症例について

佐藤 工, 佐藤 啓 (国立病院機構弘前病院小児科)

Keywords:Down症, 高尿酸血症, 脂質異常症

【はじめに】近年,平均寿命が約60歳に達したDown症は,一般成人と同様の生活習慣病を発症する可能性があるが,Down症の生活習慣病に関する管理指針は明確にされていない.今回我々は,12歳から高尿酸血症と脂質異常症を合併し,18年間経過観察中のDown症例の診療経験から,Down症診療の問題点について考察した.【症例】現在30歳のDown症男性.BMI29.2親等内の家族に,糖尿病,脂質異常症,高血圧等の生活習慣病罹患者が複数あり.12歳時に肥満度37%のため精査目的に当科受診.高尿酸血症(UA>8.0 mg/dL)を認め,栄養指導を行うも改善なし.尿酸クリアランス試験で尿酸排泄低下型と判断し,ベンズブロマロンを開始後,UA値は現在までほぼ正常範囲を維持している.血清総Chol,TG,HDL値も初診当初から,各々250 mg/dL,200 mg/dL,40mg/dL前後を推移した.20歳を契機にプラバスタチンを開始したが,29歳になりTGが 400 mg/dL台と悪化し,プラバスタチンからアトルバスタチンに変更した.肥満は全く解消されていないものの,糖尿病,高血圧の合併はなく,甲状腺機能,心電図,頸動脈エコーも異常はない.【結語】Down症はその特性から肥満傾向が強く,食事や運動療法の生活指導も困難である.長寿化する彼らに対し,若年から生活習慣病発症の注意深い監視体制を維持することが,Down症長期診療における肝要点である.