[I-P3-7-03] 下大静脈欠損を伴う心疾患の外科治療
Keywords:下大静脈欠損, 二心室修復, 単心室修復
【はじめに】下大静脈 (IVC) の欠損は、左側相同の80%にみられると言われ、心血管形態に応じた二心室(BiV track)もしくは単心室 (UniV track) 修復をめざす中で、疾患特有の問題が治療の障害となることがある。
【目的】当院におけるIVC欠損症例に対する治療の現状を評価し、課題を明らかにする。
【対象と方法】2010年~2021年に当院において外科治療を行ったIVC欠損を伴う心疾患12症例について、診療録より後方視的に調査した。
【結果】女児9例、男児3例。BiV trackは5例で、CoA complexが3例、TOFが1例、PDAが1例。UniV trackは7例で、主診断は一側心室の低形成を伴うAVSDが4例、DORV+hypo-LVが2例、三尖弁閉鎖(IIc)が1例。全12例中、両側左心耳形態を確認できたのは7例、両側SVC7例、TAPVC(心臓型)3例。心外病変では十二指腸閉鎖/狭窄が3例、多脾症は7例で、そのうち2例に胆道閉鎖を認めた。染色体異常に伴う多発奇形と気管狭窄(CTS)が1例。BiV trackの5例では、初回CoA repair + PABが3例、SP shuntが1例、CTS手術時にPDA閉鎖が1例。全例二心室修復に到達したが、その後房室弁逆流の制御が困難であったAVSDを1例失った。UniV track 7例では、最終的にBDG(Kawashima)を経由してTCPCに到達したものが5例で、1例がTCPC待機中。初回姑息術後に門脈欠損に伴う低栄養などで1例、TCPC術4年後に急性甲状腺炎を契機とする循環不全で1例失った。UniV trackでは、体肺静脈短絡/門脈体静脈短絡に対するコイル塞栓5/3例、房室弁逆流に対する手術介入3例、胎児期からの房室ブロックに対するペースメーカー植込み術1例。BDGからTCPCまでの待機期間は中央値1.2(1.0~2.3)年で、この間にPulmonary AV Malformationを生じた症例はなかった。
【まとめ】当院におけるIVC欠損を伴う心疾患症例について、共通房室弁逆流の制御に難渋している症例が目立ち(死亡1を含む4例6回)、今後の課題である。
【目的】当院におけるIVC欠損症例に対する治療の現状を評価し、課題を明らかにする。
【対象と方法】2010年~2021年に当院において外科治療を行ったIVC欠損を伴う心疾患12症例について、診療録より後方視的に調査した。
【結果】女児9例、男児3例。BiV trackは5例で、CoA complexが3例、TOFが1例、PDAが1例。UniV trackは7例で、主診断は一側心室の低形成を伴うAVSDが4例、DORV+hypo-LVが2例、三尖弁閉鎖(IIc)が1例。全12例中、両側左心耳形態を確認できたのは7例、両側SVC7例、TAPVC(心臓型)3例。心外病変では十二指腸閉鎖/狭窄が3例、多脾症は7例で、そのうち2例に胆道閉鎖を認めた。染色体異常に伴う多発奇形と気管狭窄(CTS)が1例。BiV trackの5例では、初回CoA repair + PABが3例、SP shuntが1例、CTS手術時にPDA閉鎖が1例。全例二心室修復に到達したが、その後房室弁逆流の制御が困難であったAVSDを1例失った。UniV track 7例では、最終的にBDG(Kawashima)を経由してTCPCに到達したものが5例で、1例がTCPC待機中。初回姑息術後に門脈欠損に伴う低栄養などで1例、TCPC術4年後に急性甲状腺炎を契機とする循環不全で1例失った。UniV trackでは、体肺静脈短絡/門脈体静脈短絡に対するコイル塞栓5/3例、房室弁逆流に対する手術介入3例、胎児期からの房室ブロックに対するペースメーカー植込み術1例。BDGからTCPCまでの待機期間は中央値1.2(1.0~2.3)年で、この間にPulmonary AV Malformationを生じた症例はなかった。
【まとめ】当院におけるIVC欠損を伴う心疾患症例について、共通房室弁逆流の制御に難渋している症例が目立ち(死亡1を含む4例6回)、今後の課題である。