[I-SY05-01] Child Death Reviewの現状と展望~学校心臓検診の有効活用をめざして~
Child Death Review(以下「CDR」)は「予防のための子どもの死亡検証」と和訳される。10年以上前からわが国に紹介され,2020年度からは厚生労働省が「都道府県CDR体制整備モデル事業」を実施するに至った。今後この経験が全国展開されることが期待される。さて,この取り組みでは多職種で情報を共有して検証し,予防可能死を防ぐための具体的な提言を策定することを目的としている。一方で,発生した事象の事実確認や,責任の追求等は目的としない。共有情報の提供元として,医療機関は中心的な役割を担うことが期待されるが,その他,法医学,学校や幼保などの教育機関,母子保健,児童福祉,場合によって警察等も対象となることが想定される。どのような情報が,どのような手続きのもとに集められることが可能か,模索が続いている。この発表は,上記の現状を紹介し,今後目指すべき制度等について想起することを目的とする。この制度構築によって,学校心臓検診など各種保健事業がより効果的に進められ,またその解析結果等をより効果的に社会に還元できることが期待される。