[I-SY06-02] 肺高血圧診療における成人診療科への移行
Keywords:肺高血圧症, 移行医療, チーム医療
小児科領域において長期経過観察を要する患児は、やがて成人診療科への移行が必要となる疾患が多い。これに対して小児循環器領域では、日本循環器学会学術委員会小児・成人先天性心疾患部会の成人先天性心疾患の横断的検討委員会が,日本小児循環器学会を含む成人先天性心疾患診療に関連する8学会と共同で,先天性心疾患の移行に関する提言第1版を2017年12月に発表し、現在では移行医療支援が追加された第3版が発表されている。しかしながら先天性心疾患以外に、肺高血圧症においても成人移行に対して配慮が必要である。
診療面においては小児と成人での肺高血圧症の原因の差異があり、最近認識されるようになった小児の3群の肺高血圧症においては、その病態、治療法、長期予後などについて今後知見を集積していく必要がある。そのほかにも近年になって一般的になってきた疾患や新しく発見された概念もあり、幼少期に”特発性肺動脈性肺高血圧症“として診断されてきた疾患が本当に正しいかの検証が診療の中で必要である。成人期に、患者本人が主体的に治療に関われるように、本人への病態・治療内容・妊娠などについて、本人の成長や知識、性格も考慮した説明を行い、理解を得ていかなければならない。症例によっては遺伝カウンセリングについても検討が必要である。また、親の診療に対する関与については成人診療科にスムーズに移行できるような環境づくりが重要である。その他、社会保障や就労についてのサポートも必須である。
スムーズな成人診療科への移行は小児循環器医単独、あるいは循環器内科医単独の努力では困難であり、多職種も含めコミュニケーションをよくして取り組んでいくことが必要であり、今回のシンポジウムにおいてこれらの課題について議論していきたい。
診療面においては小児と成人での肺高血圧症の原因の差異があり、最近認識されるようになった小児の3群の肺高血圧症においては、その病態、治療法、長期予後などについて今後知見を集積していく必要がある。そのほかにも近年になって一般的になってきた疾患や新しく発見された概念もあり、幼少期に”特発性肺動脈性肺高血圧症“として診断されてきた疾患が本当に正しいかの検証が診療の中で必要である。成人期に、患者本人が主体的に治療に関われるように、本人への病態・治療内容・妊娠などについて、本人の成長や知識、性格も考慮した説明を行い、理解を得ていかなければならない。症例によっては遺伝カウンセリングについても検討が必要である。また、親の診療に対する関与については成人診療科にスムーズに移行できるような環境づくりが重要である。その他、社会保障や就労についてのサポートも必須である。
スムーズな成人診療科への移行は小児循環器医単独、あるいは循環器内科医単独の努力では困難であり、多職種も含めコミュニケーションをよくして取り組んでいくことが必要であり、今回のシンポジウムにおいてこれらの課題について議論していきたい。