[I-SY07-02] 乳幼児拡張型心筋症に対する肺動脈絞扼術の効果と可能性
キーワード:拡張型心筋症, 肺動脈絞扼術, 心臓移植
小児重症心不全治療において、β遮断薬、強心薬の効果が不十分で予後不良と考えられる場合、心臓移植の適応と考えられるが、日本では待機期間が非常に長いため補助人工心臓治療を要する症例が殆どである。しかし、乳幼児に使用できる植込み型デバイスは国内にはなく、体外式補助人工心臓も台数が限られている。その様な中、一部の症例で、肺動脈絞扼術(PAB)が心機能回復に有効であるとの報告がある。右心機能が保たれている4歳以下の症例が適応と考えられており、有効性の予測は困難であるが、海外からの報告では、1/3程度の症例で心機能が回復したとされている。本邦では、知る限り3例の症例で施行されている。bridge to recovery/candidecy/bridge/ transplant いずれのパターンも考えうるが、当院では、bidgde to recoveryを期待し、一時的に強心薬を中止し退院する事ができたが、残念ながら心不全が再燃しbridge to bridgeの結果となり、現在EXCORで心臓移植待機中の症例を経験した。PABのタイミング、長期になった場合のPABへのバルーンの適応やタイミング、デバイスや、ドナーが不足するわが国の重症心不全治療においてPABが出口戦略の一つになりうるのかを議論したい。