[I-YB04-04] 深層学習にを用いた心房中隔欠損症の診断に関する検討
Keywords:心電図, 深層学習, 人工知能
【背景】心房中隔欠損症(ASD)など学校検診における心電図診断が重要な疾患がある。近年、artificial intelligence (AI)による機械学習はDeep Learningを用いた手法により情報の”特徴量”の抽出が可能になってきたことからその応用の範疇は飛躍的に広がっている。本検討では深層学習による心電図判読の診断性能を検討し今後の心電図判読に活用可能かを評価する。 【方法】6-18歳の男女を対象とし、正常と心房中隔欠損症(以下ASD)の心電図画像を収集。学習用1000枚と検証用192枚にランダム割付し、深層学習モデルで学習を行った。検証用データセットを用いて心電図判定を行い、ASD鑑別に関する判定精度を小児循環器医と比較した。評価項目はaccuracy、sensitivity、specificity、positive predictive value、F1 scoreとした。【結 果】正常とASD判別における各評価項目の結果は深層学習モデルvs小児循環器医でaccuracy 0.89 vs 0.58 (0.06SD)、sensitivity 0.76 vs 0.53(0.04SD)、specificity 0.96 vs 0.67(0.10SD)、positive predictive value 0.88 vs 0.69(0.18SD)、F1 score 0.81 vs 0.58(0.06SD)であった。深層学習モデルによるAUCは0.95であった。【考 察】 今回の予備検討では非疾患群と心房中隔欠損症のみの限定的なものではあるが、人工知能による心電図判読は専門医より優れた水準で疾患の推定が可能であった。人工知能による心電図判定は高精度に疾病の有無を提示できる可能性も示した。検診精度の向上や臨床判断補助としての用途が期待される。【まとめ】人工知能による心電図診断は高い精度での診断情報を提供しうる。実臨床で用いるためには今後解析可能疾患の拡充およびinhouse data以外のデータも加えた学習により般化性を高める必要がある。