[II-OR13-05] 九州・山口地区における小児重症心不全患者診療の実情と課題
Keywords:心臓移植, 心不全, 出口戦略
【背景】当院は2020年5月に11歳未満の小児心臓移植実施施設として認定を受け、九州・山口地区における小児重症心不全診療の中心的役割を担っている。心臓移植登録患者にとって移植を完遂し退院することは一つの到達点であるが、このコロナ禍で移植件数は減少し、到達点(=出口)の見えない状況に拍車が掛かっている。当院でも小児科病棟に占める心不全患者の割合が増す一方、新たな重症心不全児の診療依頼は受け続けることとなる。
【目的】九州・山口地区における小児重症心不全診療の現状をまとめ、より良い出口戦略を検討する。
【九州・山口地区の小児重症心不全診療】コロナ禍以降、九州・山口地区では当院を移植施設として2020年に3例、2021年に1例の移植登録をした。うち1例がEXCOR装着、1例がカテコラミン持続静注にて当院入院中である。以前からの移植登録患者を含め、遠方の患者は地元の基幹病院と当院の双方で診療を行い、入院が必要な際には重症度に応じた入院先を選択している。これから心臓移植登録に向かう患者は、当院へ転院もしくは当院と地元の医師とで討議して個別に対応している。
【小児科病棟の事情】当院の小児科病棟は循環器系疾患だけでなく小児全般を診療する病棟で、全分野で最終医療機関としての役割を担い、病床は常に逼迫している。平均在院日数は14日程度を目標とするが、心不全患者の長期入院は様々な面から病棟運営に影響している。
【これからの出口戦略】小児重症心不全診療はオール・ジャパン体制が組まれているが、移植施設としてスタート間もない当院としては、その下支えとなる九州・山口地区のネットワークを大切に構築して行きたい。例えば何処にどのような重症度の患者がいるか等の具体的な情報を共有し、地区全体で重症児を支えるという意識を持って体制を整備することは、将来に向けた出口戦略の一つとなる。小地区での取り組みの積み重ねが、日本全体を支えることにも繋がる。
【目的】九州・山口地区における小児重症心不全診療の現状をまとめ、より良い出口戦略を検討する。
【九州・山口地区の小児重症心不全診療】コロナ禍以降、九州・山口地区では当院を移植施設として2020年に3例、2021年に1例の移植登録をした。うち1例がEXCOR装着、1例がカテコラミン持続静注にて当院入院中である。以前からの移植登録患者を含め、遠方の患者は地元の基幹病院と当院の双方で診療を行い、入院が必要な際には重症度に応じた入院先を選択している。これから心臓移植登録に向かう患者は、当院へ転院もしくは当院と地元の医師とで討議して個別に対応している。
【小児科病棟の事情】当院の小児科病棟は循環器系疾患だけでなく小児全般を診療する病棟で、全分野で最終医療機関としての役割を担い、病床は常に逼迫している。平均在院日数は14日程度を目標とするが、心不全患者の長期入院は様々な面から病棟運営に影響している。
【これからの出口戦略】小児重症心不全診療はオール・ジャパン体制が組まれているが、移植施設としてスタート間もない当院としては、その下支えとなる九州・山口地区のネットワークを大切に構築して行きたい。例えば何処にどのような重症度の患者がいるか等の具体的な情報を共有し、地区全体で重症児を支えるという意識を持って体制を整備することは、将来に向けた出口戦略の一つとなる。小地区での取り組みの積み重ねが、日本全体を支えることにも繋がる。