[II-P4-2-02] 当院における心臓手術に関わる造影CT被曝量の実態調査2021
キーワード:CT被ばく量, 先天性心疾患手術, 術前評価
【背景】年間自然被曝量は2.4mSv、日本医学放射線学会からのCT被曝量管理指針では、小児の胸部CTでの診断参考レベルはCT dose index volume(CTDIvol)として11-15mGyとされている。近年の当院での心臓手術に関わるCT被曝量を明らかにするべく後方視的に調査を行った。
【方法】2021年1月1日から同年12月31日までに撮像された胸部を含む造影CT 488件の被曝量をCT記録より収集。単純CTのみの撮像は除外し、他部位同時撮像の場合は胸部に関わる撮像のみの被曝量を算出した。CT撮像目的は、手術目的の撮像を「術前」、術後の撮像を「術後」、手術目的以外で実施された「評価」、先天性心疾患に関わらない撮像の「非心臓」の4種類に分類した。
【結果】488件の造影CTの内訳は術前 286件、術後 72件、評価 84件、非心臓46件. 新生児79件, 乳児 145件. 平均有効線量は、全撮像で3.1±4.3mSv(以下, 括弧内はCTDIvolを併記 4.5±7.5mGy). 目的別だと術前 3.5±4.7mSv (4.7±7.9mGy), 術後 2.0±2.1mSv (2.8±3.6mGy), 評価 3.9±5.0mSv (5.8±9.7mGy), 非心臓 0.9±1.2mSv (2.8±3.7mGy). 疾患別だとTGA(18件) 4.8±3.4mSv (4.7±3.3mGy), HLHS(31件) 1.5±0.4mSv (1.6±0.5mGy), TAPVC(11件) 1.5±0.3mSv (1.5±0.5mGy), 弁評価(53件) 8.9±7.3mSv (13.6±13.6mGy), TCPC術前(55件) 1.8±0.8mSv (2.2±1.4mGy)であった.
患児1人あたりの年間撮像数は、1回 272例, 2回 58例, 3回 25例, 4回 5例, 5回1例で、2回以上撮像した児の年間被曝量の合計は、平均で6.0±6.1mSv (7.65±10.4mGy)であった。5回撮像した児の合計被曝量は26.7mSv, 最も合計被曝量の多い児(弁評価目的のCTを2回実施)では38.7mSvであった。
【結語】当院での心臓手術術前造影CTでの被曝線量は許容できるものであった。被曝量の多い弁評価目的のCTの頻回な撮像は控えるべきであるが、術式を考慮した撮像方法の工夫による被曝低減は有効と考えられる。
【方法】2021年1月1日から同年12月31日までに撮像された胸部を含む造影CT 488件の被曝量をCT記録より収集。単純CTのみの撮像は除外し、他部位同時撮像の場合は胸部に関わる撮像のみの被曝量を算出した。CT撮像目的は、手術目的の撮像を「術前」、術後の撮像を「術後」、手術目的以外で実施された「評価」、先天性心疾患に関わらない撮像の「非心臓」の4種類に分類した。
【結果】488件の造影CTの内訳は術前 286件、術後 72件、評価 84件、非心臓46件. 新生児79件, 乳児 145件. 平均有効線量は、全撮像で3.1±4.3mSv(以下, 括弧内はCTDIvolを併記 4.5±7.5mGy). 目的別だと術前 3.5±4.7mSv (4.7±7.9mGy), 術後 2.0±2.1mSv (2.8±3.6mGy), 評価 3.9±5.0mSv (5.8±9.7mGy), 非心臓 0.9±1.2mSv (2.8±3.7mGy). 疾患別だとTGA(18件) 4.8±3.4mSv (4.7±3.3mGy), HLHS(31件) 1.5±0.4mSv (1.6±0.5mGy), TAPVC(11件) 1.5±0.3mSv (1.5±0.5mGy), 弁評価(53件) 8.9±7.3mSv (13.6±13.6mGy), TCPC術前(55件) 1.8±0.8mSv (2.2±1.4mGy)であった.
患児1人あたりの年間撮像数は、1回 272例, 2回 58例, 3回 25例, 4回 5例, 5回1例で、2回以上撮像した児の年間被曝量の合計は、平均で6.0±6.1mSv (7.65±10.4mGy)であった。5回撮像した児の合計被曝量は26.7mSv, 最も合計被曝量の多い児(弁評価目的のCTを2回実施)では38.7mSvであった。
【結語】当院での心臓手術術前造影CTでの被曝線量は許容できるものであった。被曝量の多い弁評価目的のCTの頻回な撮像は控えるべきであるが、術式を考慮した撮像方法の工夫による被曝低減は有効と考えられる。