The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスター発表

集中治療・周術期管理

ポスター発表(II-P4-3)
集中治療・周術期管理 I

Fri. Jul 22, 2022 3:30 PM - 4:30 PM ポスター会場

座長:上田 秀明(神奈川県立こども医療センター 循環器内科)
座長:宮本 朋幸(横須賀市立うわまち病院 小児医療センター 小児科)

[II-P4-3-06] 先天性心疾患周術期の難治性乳び胸~診断から外科的介入まで~

岸本 健寛1, 梶川 優介1, 林 拓也1, 新津 健裕1, 星野 健司2, 野村 耕司3, 植田 育也1 (1.埼玉県立小児医療センター 小児救命救急センター, 2.埼玉県立小児医療センター 循環器科, 3.埼玉県立小児医療センター 心臓血管外科)

Keywords:乳び胸, 内科的治療戦略, 外科的介入の時機

【背景】先天性心疾患周術期において乳び胸は様々な要因で発症し、時に内科的治療に反応乏しく外科的介入を要する。しかし、適切な内科的治療戦略や外科的治療介入の時機は明確でない。当院では内科的治療を約2週間行っても乳び胸が遷延する場合は画像評価及び外科的介入を検討しているが、その間に全身状態が悪化し外科的介入延期を余儀なくされたり、外科的介入後も胸水が遷延し長期間のICU滞在を要した症例もある。【目的】乳び胸に対する内科的治療戦略及び外科的介入の適切な時機を検討する。【方法】当院で先天性心疾患を有し乳び胸を発症した症例のうち、乳び胸に対し外科的介入を行った症例を後方視的に調査した。【結果】上記に該当する症例は計6例で、内訳は両側肺動脈絞扼術後1例、大動脈縮窄修復術後3例、肺静脈ステント留置後1例、心室中隔欠損症(Noonan症候群合併)の術前症例1例であった。乳び胸に対する外科的介入はリンパ管静脈吻合術3例、胸管結紮術3例で、診断から外科的介入まで中央値22日(8-45)経過していた。内科的治療は食事療法(脂質制限または平均8.7日間の禁飲食)、オクトレオチド投与(平均11.7日間投与)、ステロイド投与(平均2.6日間投与)、第13因子製剤投与(5日間投与)を行ったがいずれも著効せず、感染や壊死性腸炎、長期挿管管理及び低栄養からICU-acquired weaknessを発症するなど、内科的管理に難渋した。【考察・結語】外科的介入後中央値13日(5-78)で胸水は消失したが、外科的介入を見据え画像評価をした時点での胸水量は中央値281ml/age(year)/day、外科的介入時点の胸水量は231ml/age(year)/dayと非常に多量であった。その間多量の血液製剤投与や感染など患児にかかる負担は大きく、より早期に評価・介入を行う必要があると考えられた。適切な内科的治療戦略、外科的介入の時機について、議論の要点としたい。