[II-P4-3-08] MortalityゼロのPalliative operationを目指して:Blalock-Taussig shunt術症例の予後から考える管理のエッセンス
Keywords:Blalock-Taussig shunt, PGE1, 手術関連死
【緒言】BTSは姑息術であるが故に低い死亡率が求められる.自験例からMortality低減の方策について考察する.【対象・方法】2006年以降に,低肺血流量に対しBTSを施行した98例(乳児後期無酸素発作,肺動脈統合術例を除く).診療録を基に基礎病態,術前管理,周術期の状態,及び予後について検討.【結果】《基礎病態》手術日齢1-120(med.21),BW1.94-4.37(2.83)kg.単心室47(Asplenia15)/二心室51 .《術前管理》PDA有の89例中,PGE1なし10(11%),1-4nが33(37%)と約半数を占めた.SpO2≧90%持続例で積極的にPGE1を減量から中止. PGE1中止によるPDA閉鎖試験を35例で施行.《周術期》PDA結紮48(PA形成13). BTSφ3.0mm4,3.5 mm 76(78%),4.0 mm 17,Original 1. 正中開胸75,側開胸23. CPB23例の導入理由:PA形成12,PA弁切開4,TAPVD修復4,低酸素3.術中のBTS Clip7.術後緊急Clip8(単心室7),緊急Clip有無はLac(1.50vs4.31),尿量(2.87vs0.95ml/kg/hr)に有意差あり.ECMO1例:開胸時からVT反復→3日で離脱.BTS急性閉塞4(Clip後1):PDA結紮例は結紮解除→再手術,非結紮例はPGE1投与→再手術.挿管1-59(4)日,ICU滞在2-108(7)日.《予後》術後30日死亡0.在院死亡4:死因は出生前からのCAVVR(Asplenia)1,術前脳出血の後遺症1,VT(BTS前から)1でありBTS直接関連死は縦郭洞炎1(1%)のみ.【考察】近年の報告でBTS関連死の原因は閉塞より体循環不全が多く,高死亡率であるECMO例は体循環不全での装着が多いことも体循環不全の管理の重要性を示している.尿量,Lacに留意しClipなどによる遅滞ない肺血流量制御が要になる.肺血流量/閉塞に影響する要素である術後の肺血管抵抗の変化の抑制や,術前の高肺血流心不全の予防も重要である.術前の高SpO2や術後の急激なPGE1離脱は肺血管抵抗の変化を大きくする.術前の不要な高SpO2を避けPGE1を最小量に留める方針,及び閉鎖の担保になるPGE1中止試験も有効かつ非結紮でのスムーズなBTSへの置き換わりにも有用と考えられる.