[II-P4-4-01] 川崎病急性期におけるホルター心電図のTpe/QTと治療抵抗性の関係
Keywords:Tpe/QT, 川崎病, 治療抵抗性
【背景】川崎病は小児期に全身の中小動脈炎を引き起こし、特に心臓においては冠動脈から心膜、心筋にまで炎症が波及し、約6-8%に冠動脈病変(CAA)を合併する。これまで我々は川崎病急性期において12誘導心電図上のT波の頂点からT波の終焉(Tpe)時間とQT時間の比(Tpe/QT)が健常者と比較して有意に延長し、延長の程度とCAA形成に関連があることを報告してきた。しかし、これらは12誘導心電図における連続120心拍の解析であるという制約があった。そこで、ホルター心電図を用い急性期川崎病患者における治療前Tpe/QTの全心拍解析を試みた。
【対象】川崎病主要症状を5つ以上満たす川崎病群(K群)20名を1回のIVIG療法に反応した治療反応群(Res群)8名、2回のIVIG治療あるいはRAISE治療を要したIVIG不応群(NonRes群)10名、それ以上の追加治療を要した治療抵抗群(Ref群) 2名の3群に分類した。川崎病を除く熱性疾患群(F群)4名および健常群(C群) 6名の2群を対照群とした。
【方法】ホルター心電計RAC-2512にて24時間心電図を記録した。長時間心電図解析ソフトを用いTpe/QTを測定し、心拍数(HR)との関係について線形を仮定し後方視的に比較検討した。
【結果】1)すべての群においてTpe/QTはHRに対し緩やかな正の相関を示した。近似直線の傾きに有意な差を認めなかった。2)C群とF群はHRに対するTpe/QTに差を認めなかった。K群はHC群とF群に比較し、HRに対しTpe/QTが延長傾向であった。更にRes群、NonRes群(CAA1名)、Ref群(CAA1名)の順にTpe/QTが延長傾向であった。
【結語】急性期川崎病においては他の熱性疾患に比較しHRに対するTpe/QTが延長傾向で、その程度は治療抵抗性の程度と関連があることが示唆された。CAAとの関連も含め、今後の症例の蓄積が望まれる。
【対象】川崎病主要症状を5つ以上満たす川崎病群(K群)20名を1回のIVIG療法に反応した治療反応群(Res群)8名、2回のIVIG治療あるいはRAISE治療を要したIVIG不応群(NonRes群)10名、それ以上の追加治療を要した治療抵抗群(Ref群) 2名の3群に分類した。川崎病を除く熱性疾患群(F群)4名および健常群(C群) 6名の2群を対照群とした。
【方法】ホルター心電計RAC-2512にて24時間心電図を記録した。長時間心電図解析ソフトを用いTpe/QTを測定し、心拍数(HR)との関係について線形を仮定し後方視的に比較検討した。
【結果】1)すべての群においてTpe/QTはHRに対し緩やかな正の相関を示した。近似直線の傾きに有意な差を認めなかった。2)C群とF群はHRに対するTpe/QTに差を認めなかった。K群はHC群とF群に比較し、HRに対しTpe/QTが延長傾向であった。更にRes群、NonRes群(CAA1名)、Ref群(CAA1名)の順にTpe/QTが延長傾向であった。
【結語】急性期川崎病においては他の熱性疾患に比較しHRに対するTpe/QTが延長傾向で、その程度は治療抵抗性の程度と関連があることが示唆された。CAAとの関連も含め、今後の症例の蓄積が望まれる。