[II-P4-7-07] 心室中隔欠損症に合併した冠動脈異常
キーワード:心室中隔欠損症, 冠動脈奇形, 大動脈二尖弁
目的: 冠動脈の異常は起始,走行,分岐の異常など多岐にわたり,先天性心疾患に合併することがある。本研究では、先天性心疾患の代表的な疾患である心室中隔欠損症に伴う冠動脈の異常及び寄与因子を検討した。方法 :根治手術前の心室中隔欠損症な患者を後方視的に検討した。主に心臓カテーテル検査による血管造影からの冠動脈の異常分岐,起始,走行などの冠動脈異常を同定した.その中で冠動脈異常の有病率と種類を検討した。結果:心室中隔欠損症患者998例について,冠動脈の異常を確認するために検討を行った。年齢と体重は中央値 2.0(2.1-15.2)カ月と中央値5.7(4.1-8.7)kgであった。症候群または遺伝性疾患を有する患者は115人(12%)、心臓外の主要臓器異常を有する患者は34人(3%)であった。冠動脈異常の有病率は全体で6%であった。バルサルバ洞より上の大動脈起始部が最も一般的な冠動脈異常であった。冠状動脈の異常は、二尖大動脈弁(オッズ比[OR]:8.02、95%信頼区間[CI]:2.34-23.4)および左上大静脈(OR:5.02、95%CI:1.93-11.7)と独立して相関があった。結論: 心室中隔欠損症患者における冠動脈異常の有病率は、一般集団よりも高かった。冠状動脈の異常は,心室中隔欠損症患者における大動脈二尖弁や左上大静脈と相関していた.