[II-P5-3-03] 川崎病急性期の3rd line以降の治療選択に関する炎症マーカーの有用性について
Keywords:川崎病, 炎症マーカー, IL-6
【背景】川崎病急性期の3rd line以降の治療法は多岐にわたり、個々の病態や施設の方針に基づき選択、実施されているのが現状である。当院では以前よりサイトカインを川崎病の診断に活用しているが、今回、炎症マーカーを指標とした治療法の選択について検討した。
【方法】2017年4月から2022年1月に当院に川崎病2nd/3rd line不応で紹介となった20例のうち、3rd/4th lineでインフリキシマブ(infliximab: IFX)を投与した4例(IFX群)と他の治療法(IVIG, CsA, 治療なし)で改善した13例(非IFX群)を対象として、治療前の炎症マーカー、冠動脈合併症、副作用の有無を診療記録より後方視的に調査した。サイトカイン測定をしなかった2例、マクロファージ活性化症候群合併の1例を除外した。
【結果】中央値(最小値~最大値)で示す。発症月齢はIFX群 47(6~69)か月、非IFX群 26(4~37)か月、群馬スコアはIFX群 4.5(2~5)、非IFX群 5(3~7)で差を認めなかった。当院紹介時の残存している主要症状はIFX群 5/6(全例5/6)、非IFX群 3/6(1/6~6/6)で、白血球数はIFX群 20,260(13,380~25,550)/μL、非IFX群 12,200(4,760~21,440)/μL、CRP IFX群 13.9(9.4~21.5)mg/dL、非IFX群 10.8(1.1~23.4)mg/dL、IL-6 IFX群 184(102~270)pg/mL、非IFX群 24(3~260)pg/mLと、主要症状とIL-6で両群間に差を認めた(主要症状: p=0.045, IL-6: p=0.010)。非IFX群でIL-6 260pg/mL(正常5pg/mL以下)と高値の1例は6か月児でありIFXの使用を躊躇したが、結果4th lineまでの加療を要した。血漿交換は全例で併用しなかった。紹介時に冠動脈病変(z score ≧ 2.5以上)を有した症例はIFX群1例、非IFX群3例だったが、いずれも一過性拡張であり経過観察で改善した。治療を要する高血圧を認めたのは3例で、IFX群1例、非IFX群2例であった。
【結論】IFX使用群では3rd/4th line前のIL-6が高く、IFX使用を考慮した際、IL-6は判断の一助となりうる。
【方法】2017年4月から2022年1月に当院に川崎病2nd/3rd line不応で紹介となった20例のうち、3rd/4th lineでインフリキシマブ(infliximab: IFX)を投与した4例(IFX群)と他の治療法(IVIG, CsA, 治療なし)で改善した13例(非IFX群)を対象として、治療前の炎症マーカー、冠動脈合併症、副作用の有無を診療記録より後方視的に調査した。サイトカイン測定をしなかった2例、マクロファージ活性化症候群合併の1例を除外した。
【結果】中央値(最小値~最大値)で示す。発症月齢はIFX群 47(6~69)か月、非IFX群 26(4~37)か月、群馬スコアはIFX群 4.5(2~5)、非IFX群 5(3~7)で差を認めなかった。当院紹介時の残存している主要症状はIFX群 5/6(全例5/6)、非IFX群 3/6(1/6~6/6)で、白血球数はIFX群 20,260(13,380~25,550)/μL、非IFX群 12,200(4,760~21,440)/μL、CRP IFX群 13.9(9.4~21.5)mg/dL、非IFX群 10.8(1.1~23.4)mg/dL、IL-6 IFX群 184(102~270)pg/mL、非IFX群 24(3~260)pg/mLと、主要症状とIL-6で両群間に差を認めた(主要症状: p=0.045, IL-6: p=0.010)。非IFX群でIL-6 260pg/mL(正常5pg/mL以下)と高値の1例は6か月児でありIFXの使用を躊躇したが、結果4th lineまでの加療を要した。血漿交換は全例で併用しなかった。紹介時に冠動脈病変(z score ≧ 2.5以上)を有した症例はIFX群1例、非IFX群3例だったが、いずれも一過性拡張であり経過観察で改善した。治療を要する高血圧を認めたのは3例で、IFX群1例、非IFX群2例であった。
【結論】IFX使用群では3rd/4th line前のIL-6が高く、IFX使用を考慮した際、IL-6は判断の一助となりうる。