[II-SY08-03] 小児科サブスペシャルティ専門医の機構認定には何が必要か
Keywords:サブスペシャルティ専門医, 日本専門医機構, 小児循環器
日本専門医機構による基本19領域の専門医制度が2018年にスタートして5年目を迎える中、次の段階としてサブスペシャルティ専門医制度の認定プロセスが始まっている。小児科領域からは「小児循環器」、「小児神経」、「小児血液がん」、「臨床遺伝」の4領域、また「こどもの心」、「てんかん」の2領域については精神科領域から申請しているが、現時点ではいずれのサブスペシャルティ制度も機構による認定が見送られている(現時点で認定されたのは内科16領域、外科6領域、放射線科2領域)。機構が定めた認定基準では大学病院の50%、研修病院の25%以上に当該サブスペシャルティの診療部門を有することとされているが、これは明らかに内科のサブスペシャルティ領域を前提とした設計であり、小児医療の現状を反映したものとはなっていない。また、内科領域では臓器別サブスペシャルティを標榜した多くのクリニックが実質的な一次医療を担っている一方で、小児科サブスペシャルティは二次・三次医療機関に集約化される流れがある。こうした内科領域と小児科領域の現状と考え方の違いを訴え、関係機関に働きかけていく必要がある。昨年度末の小児科領域からの申請に際しては、小児科における各種専門外来の普及度・認知度をアピールし、また各種患者団体からも小児科サブスペシャルティの必要性を訴えていただき、一定の手応えはあったが、今後も各学会と連携して小児科サブスペシャルティ専門医制度の実現を目指したい。