[II-SY08-04] 小児循環器専門医制度の現状と今後
Keywords:小児循環器 , 専門医, 日本専門医機構
日本小児循環器学会の認定する小児循環器専門医制度は、2008年から発足し、暫定指導医制度による準備期間をおき、修練制度を確立したうえで、それに則った修練を行い、全員が専門医資格試験を受験し、今年度第12期まで、計600名以上の小児循環器を認定してきた。この領域の専門性の特徴は、同じ循環器疾患といっても成人領域と小児領域では、患者の年齢、体格だけでなく、主体となる疾患群が大きく異なるため、成人循環器専門医には診療困難な疾患が多いこと、治療には先天性心疾患の手術経験を十分に持った小児心臓外科医との緊密な連携ができること、国内の全都道府県に専門医と修練施設が存在していることなどにある。国民や医療者の双方から見て、その地域で対応できる医師が、きわめて限定される領域であり、「子どもの心臓を見る医師には、専門性が必要ですか?」という問いに間違いなく「Yes」と答えられる状況を形成していると自負している。しかし、現在、日本専門医機構認定の専門医制度への参入は、日本小児科学会との連携で構成された小児領域サブスペシャルティ専門医認定のための連絡協議会を通じて、2年継続申請中してきたが、成人診療科を元にした外形基準に及ばないなどの理由で、まだ認可されていない。その状況と今後に関して、学会として準備すべきと思われる点と、交渉すべき点などを学術集会に集まる会員、関係者の皆さんと検討したい。