[II-SY12-05] 新しい画像診断技術のデジタルX線動画撮影(DDR)はファロー四徴症術後の肺動脈狭窄のスクリーニング検査として有用である。
Keywords:デジタルX線動態撮影, ファロー四徴症, 分枝部肺動脈狭窄症
【背景】ファロー四徴症(TOF)術後にしばしば肺動脈分岐部狭窄を起こすことがあるが、心エコーでは描出困難な場合が多い。また、MRIは一定の時間を要し、CTや肺血流シンチは一定の被爆を伴う。新しい画像診断技術であるデジタルX線動態撮影(DDR)はX線連続撮影を行い、肺野の透過性の変化率から肺血流を推定できる。
【目的】DDRがTOF術後の肺動脈分岐部狭窄のスクリーニングとして有用か検討する。
【方法】当院で心臓MRI、DDRを同時期に施行したTOF術後の14人(男性/女性 6/8人、中央値 22.5歳、範囲 17.5~28.8歳)を対象にした。DDRはflat-panel detector(Aero DR fine, KONICAMINOLTA, Japan)と従来型のX線システム(RAD speed Pro, SHIMADZU, Japan)で撮影され、専用の解析ソフト(KINOSIS, KONICAMINOLTA, Japan)で計測を行った。心臓MRIから得られた位相差コントラスト法、DDR(立位/臥位)で左右肺血流を計測し、右肺血流量/左肺血流量比(RPA/LPA ratio)を比較した。
【結果】心内修復術時に左肺動脈形成術を6例、右肺動脈形成術を1例で追加されている。また術後の左肺動脈狭窄に対して4例で経皮的バルーン拡張術、2例でステント留置術を施行している。心エコーは全例で肺動脈分岐部の描出が困難であった。MRIとDDR(立位/臥位)で計測したRPA/LPA ratioには強い相関性を認めた(立位: R2=0.97, p<0.0001, 臥位: R2=0.87, p<0.0001)。
【考察】DDRは7秒間息止めをした状態で撮影を行い、被爆量は0.08~0.4mSvと比較的低被爆で簡便な検査である。成人領域では慢性血栓塞栓性肺高血圧等のスクリーニングに使用され始めており、肺血流シンチと同等の結果を得られると報告されている。今回は心臓MRIでの肺血流量測定と比較したが強い相関があり、肺血流量評価として信頼性の高い検査であることが示された。
【結論】DDRの肺血流測定は心臓MRIとの相関性が強く、低被爆で簡便であるためスクリーニング検査として有用と考える。
【目的】DDRがTOF術後の肺動脈分岐部狭窄のスクリーニングとして有用か検討する。
【方法】当院で心臓MRI、DDRを同時期に施行したTOF術後の14人(男性/女性 6/8人、中央値 22.5歳、範囲 17.5~28.8歳)を対象にした。DDRはflat-panel detector(Aero DR fine, KONICAMINOLTA, Japan)と従来型のX線システム(RAD speed Pro, SHIMADZU, Japan)で撮影され、専用の解析ソフト(KINOSIS, KONICAMINOLTA, Japan)で計測を行った。心臓MRIから得られた位相差コントラスト法、DDR(立位/臥位)で左右肺血流を計測し、右肺血流量/左肺血流量比(RPA/LPA ratio)を比較した。
【結果】心内修復術時に左肺動脈形成術を6例、右肺動脈形成術を1例で追加されている。また術後の左肺動脈狭窄に対して4例で経皮的バルーン拡張術、2例でステント留置術を施行している。心エコーは全例で肺動脈分岐部の描出が困難であった。MRIとDDR(立位/臥位)で計測したRPA/LPA ratioには強い相関性を認めた(立位: R2=0.97, p<0.0001, 臥位: R2=0.87, p<0.0001)。
【考察】DDRは7秒間息止めをした状態で撮影を行い、被爆量は0.08~0.4mSvと比較的低被爆で簡便な検査である。成人領域では慢性血栓塞栓性肺高血圧等のスクリーニングに使用され始めており、肺血流シンチと同等の結果を得られると報告されている。今回は心臓MRIでの肺血流量測定と比較したが強い相関があり、肺血流量評価として信頼性の高い検査であることが示された。
【結論】DDRの肺血流測定は心臓MRIとの相関性が強く、低被爆で簡便であるためスクリーニング検査として有用と考える。