[II-SY12-04] 低被ばく、高解像度の小児心臓CT画像を目指した、Deep Learning Reconstructionによる画像再構成技術の効果
Keywords:小児心臓CT, MDCT, 被ばく
【背景および目的】小児は成人に比べ,放射線感受性や晩発的な影響も高まるため,より一層の被ばく低減が求められる。小児,保護者に対する放射線リスクコミュニケーションの重要性も増し,小児心臓CTの被ばく最適化の必要性が高まっている。ディープラーニングを応用したCT画像再構成効果を検討し,小児における低被ばく撮影の可能性を検討すること。【対象および方法】対象は,先天性心疾患の12例(中央値3.5ヶ月1週-1y),Aquilion ONE PRISM Editionで全例心電図同期下にvolume sacnを施行。線量はSD8-25までで撮像した。従来の画像処理法であるFull Iterative ReconSTruction (FIRST),ディープラーニングを用いて設計されたAdvanced intelligent Clear-IQ Engine(AiCE)および高精細CT「Aquilion Precision」の高精細データを教師データにすることでさらなる画質向上を目指したディープラーニング超解像画像再構成技術Precise IQ Engine(PIQE)の3種類の処理を施し,比較検討した。【結果】SD20以上の低線量域(CTD vol 3mGy前後)では,FIRSTの画像は,空間分解能は低く,3D画像も鮮明さに欠けたが,AiCE,PIQE画像処理は,ともに空間分解能が向上,3D画像も鮮明となった。とくにPIQEの画像は,VSDなどの心内構造,細い末梢肺動脈等が鮮明に描出された。SD13の中線量域(CTD vo10mGy前後)では,FIRSTの画像は,やや空間分解能が低く,3D画像もやや鮮明さに欠けた。やはり,AiCE,PIQE画像処理は,ともに画質が向上した。やはりPIQEの画像は,心内構造,細い末梢肺動脈がより鮮明に描出された。SD8-9(CTDI vol 25mGy前後)の高線量域では,FIRST,AiCE,PIQEのすべてで良好な画質が得られた。【結語】ディープラーニングの画像再構成技術は,急速に進歩し,とくに低線量域でその力を発揮した。小児心臓CTにおける低被ばく撮影は,AiCEやPIQEなどの画像処理技術の向上が大いな助けとなる。