[II-SY14-04] 課題B:小児期心筋症の心電図学的抽出基準、心臓超音波検査と遺伝学的検査を反映した診療ガイドラインの作成に関する研究
Keywords:肥大型心筋症, 拘束型心筋症, 不整脈原性右室心筋症
【目的】健常児データを考慮した小児期心筋症の抽出基準・診断基準の作成、遺伝学的検査結果を考慮した小児期心筋症の診療ガイドラインの作成を目的とする【方法】厚生労働科学研究費 {H27-難治等(難)-一般019} において、小1、中1、高1の健常児48,401名の心電図から心検時基準値(正常値)を作成しCirculation Journal誌に発表した。多施設共同にてHCM 135名、DCM 93名、LVNC 106名、RCM 26名、ARVC 14名、計374名について経時的な心電図、超音波所見、臨床症状を収集。各項目の健常児基準値分布と心筋症患児の分布から、小・中・高別、性別の抽出基準・診断基準を各項目の健常児基準値分布と心筋症患児の分布から、小・中・高別、性別の抽出基準・診断基準を疾患毎に策定する。【成績】1.早期HCMを発見する心電図所見としてはRV3+SV3が小1では50%以上で有用である。QRS voltage criteriaは早期発見のきっかけとなって突然死予防に貢献する可能性がある。2.RCMではV1のP波高(P1+P2)が無症候性や早期の発見に有用と考えられた。3.ARVCでは発症早期心電図の前胸部誘導の陰性TとT不連続性が重症度予測に有効であった。4.LVNCではfragmented QRS とJ wave を高率に認めた。【結論】小児期心筋症を早期発見し突然死を予防するために学校検診での心電図抽出基準は有用と考えられるが、肥大基準は多様性がありさらなる研究が必要である。