[III-OR32-02] Fontan revisionを必要とした症例の臨床成績
キーワード:Fontan revision, 遠隔期, Fontan形態
【背景】Fontan術後においては、心外導管の吻合位置や肺動脈形態の変化による肺血流不均衡や心外導管による肺静脈圧迫をきたす症例がある。そのような症例ではFontan revision(FR)を必要とするが、これまでまとまった報告は少ない。今回、FRを施行した症例の詳細な臨床経過を報告する。【対象・方法】当院でFontan手術を行った291症例のうち、FRを施行した7例が対象で、左側相同3例、右側相同3例、三尖弁閉鎖1例であった。初回Fontan時年齢は2.6(2.0-6.6)歳、FRは4.8(2.5-17.6)歳。初回Fonan手術からFRまでの期間は1.5(0.4-14.3)年であった。FRを施行した症例について、その臨床像を後方視的に検討した。【結果】FRを施行した理由は、肺への肝静脈血還流不均衡による肺動静脈瘻が4例(A群)、肺静脈狭窄が3例(B群)であった。A群は左側相同3例と三尖弁閉鎖1例で、左側相同例は下肢の還流血管(奇静脈または半奇静脈)と肝静脈が対側に位置し、三尖弁閉鎖例は太い左側上大静脈と下大静脈が対側に位置していた。FR術式は、心外導管付け替えが2例、肝静脈と半奇静脈を心外導管で接続した症例が2例であった。導管付け替えを施行した左側相同の1例は、肺動静脈瘻が改善せず、低酸素血症でFontan術後8.5年、FR術後6.5年に死亡した。他の3例はチアノーゼの改善を認めている。B群は、3例とも右側相同で、いずれも肺静脈開口部が心外導管と同側に位置していた。心外導管をsize downし、より腹側に固定することで導管の肺静脈圧迫が解除され、肺静脈狭窄は改善した。【まとめ】Fontan 対象例におけるGlenn吻合部の位置や心外導管の経路は、術後遠隔期のFontan形態を予測して治療戦略を立てる必要がある。