[III-OR36-03] 動脈スイッチ手術における肺動脈再建術式選択<左肺門部-大血管水平断角度の有用性>
キーワード:動脈スイッチ手術, 完全大血管転位症, 肺動脈狭窄
【目的】完全大血管転位症に対する動脈スイッチ手術(ASO)での肺動脈(PA)再建において、大血管関係がobliqueやside by sideの症例にLecompte maneuver、original Jateneのいずれが適切かは両大血管のなす角度のみで決定することは困難であり、左肺門部と大血管がなす水平断角度を後方視的に検討した。
【対象と方法】対象は術前CTを撮像した2009年以降の連続14例。PA再建法はLecompte 5例(L群)、Original Jatene 9例(O群)。大血管関係はside by side 10例(L群2例/O群8例)、A-P 2例(L群2例)、oblique 2例(L群1例/O群1例)。術前CT水平断像にて、左肺門部PA後壁から主PA前壁への接線Aと大動脈基部左側壁頂点から主PA前壁への接線A’とのなす角度をα、左肺門部左PA前壁から主PA後壁への接線Bと大動脈基部左側壁頂点から主PA後壁への接線B’とのなす角度をβとした。
【結果】α/β中央値はL群1.31(range, 1.14-1.63)、O群0.62(range, 0.42-0.91)であり、L群全例でα>β、O群全例でα<βであった。PAへの再介入は2例。O群1例(α/β=0.53)で左PA狭窄に対し拡大形成術施行。L群1例(α/β=1.14)で左PA拡大に対し縫縮術を施行。統計学的にα/β値の大小が再手術のrisk factorとはならなかった。
【結語】左肺門部-大血管水平断角度は術中判断によるPA再建法を良く反映した指標と言える。術前にPA再建法を決定しづらいoblique/side by side例に有用な指標と考えられる。
【対象と方法】対象は術前CTを撮像した2009年以降の連続14例。PA再建法はLecompte 5例(L群)、Original Jatene 9例(O群)。大血管関係はside by side 10例(L群2例/O群8例)、A-P 2例(L群2例)、oblique 2例(L群1例/O群1例)。術前CT水平断像にて、左肺門部PA後壁から主PA前壁への接線Aと大動脈基部左側壁頂点から主PA前壁への接線A’とのなす角度をα、左肺門部左PA前壁から主PA後壁への接線Bと大動脈基部左側壁頂点から主PA後壁への接線B’とのなす角度をβとした。
【結果】α/β中央値はL群1.31(range, 1.14-1.63)、O群0.62(range, 0.42-0.91)であり、L群全例でα>β、O群全例でα<βであった。PAへの再介入は2例。O群1例(α/β=0.53)で左PA狭窄に対し拡大形成術施行。L群1例(α/β=1.14)で左PA拡大に対し縫縮術を施行。統計学的にα/β値の大小が再手術のrisk factorとはならなかった。
【結語】左肺門部-大血管水平断角度は術中判断によるPA再建法を良く反映した指標と言える。術前にPA再建法を決定しづらいoblique/side by side例に有用な指標と考えられる。