[III-P6-3-07] ゴアカーディオフォーム ASD オクルーダー留置後に心房性不整脈を合併した3例
Keywords:ゴアカーディオフォーム, 合併症, 心房性不整脈
ゴアカーディオフォーム ASD オクルーダー(GCA)は2021年に本邦で3番目の経皮的心房中隔欠損閉鎖術のデバイスとして認可された。当院では2022年1月までに10例に留置し、そのうち術後早期に心房性不整脈を3例に経験した。症例1:45歳女性、金属アレルギー、気管支喘息あり。ASD径15.4mm、balloon size18.7mm、心房中隔(IAS)径38.2mmでGCA37mmを留置した。術後1ヶ月不調を主訴に受診、PAC with blockが見られ、ホルター心電図では心室期外収縮3連発、心房頻拍が頻回に確認された。自覚症状はなく無投薬で2ヶ月後には消失した。症例2:56歳女性、ASD径18.9mm、balloon size 24.9mm、IAS径42.9mmでGCA44mmを留置した。翌日より38℃台の発熱がありCRP6.8mg/dlまで上昇した(WBC7340/μL)。心拍数も100台に上昇した。2日後に解熱したが、頻脈は持続し術後1週間後にHR 110-120が持続するようになり心房頻拍と診断した。術後10日よりメトロプロロール、術後12日よりプレドニンを開始し、術後14日より洞調律に復した。以後心房頻脈の再燃はない。症例3:13歳男性、ASD径9.8mm、balloon size13.9mm、IAS径27.5mm、GCA32mmを留置した。翌日より38℃台の発熱が見られ、動悸が出現。心房頻拍と房室ブロックと診断した。2日後解熱が見られたが、房室ブロックは持続し睡眠時HR 30台まで低下した。自覚症状はなく、治療介入せず術後1週間より洞調律に復した。今回我々が経験した不整脈はいずれも一過性の経過をたどり、治療の介入にかかわらず自然に回復したと推測された。ASSURED clinical studyでは心房性不整脈を6.4%で合併したと報告している。GCA留置において心房性不整脈を十分留意すべきであると考えた。