[III-P6-4-08] Fontan術後患児におけるトレッドミル運動負荷試験を用いたペースメーカ設定最適化
Keywords:pacemaker, Treadmil, setting
【背景】複雑先天性心疾患では至適心拍数範囲が狭い。さらに、小児では心拍数変動が成人と比して大きい。ペースメーカ (PM)設定の調整にはログデータが使用されるが、身体活動時のPM設定が至適かの判断が困難である。PMの挙動の確認にトレッドミル運動負荷(TM)の有用性が期待されるが、報告は見当たらない。Fontan術後小児で、TMがPM設定の調節に奏功した一例を経験したので、報告する。
【症例】修正大血管転位・心室中隔欠損・肺動脈弁狭窄・Fontan術後の8歳男子。洞性徐脈、房室ブロック (AVB)による症候性徐脈を認め、DDD PMを留置、AAI+managed ventricular pacing (MVP): 70-160 bpm、paced/sensed atrioventricular interval (AVI); 150/120 ms、post-ventricular atrial refractory period (PAVRP); autoの設定とした。しかし、その後、朝のだるさで学校の欠席が増加した。PMログで、頻回の心房頻拍/細動(AT/AF)が確認された。PM設定の最適性再評価のため、TMを施行した。TM中、運動時にrate dependent advanced AVBが出現し、洞調律は176 bpmまで上昇した。洞調律 166 bpmのところでPM 2:1房室ブロックになり、心室調律が半減して呼吸苦を生じた。 PM設定をAAI+MVP; 70-180 bpm、paced/sensed AVI; 120/100 ms、PVARP fixed; 220 msに変更し、症状の改善がみられた。PMログのAT/AFは洞性頻脈と判断した。
【考察】身体活動量が大きく、洞調律の変動範囲の大きな複雑先天性心疾患小児では、安静時のみならず運動時までを含めたPM設定の最適化が必要である。評価者の面前で洞調律を日常の上限まで連続的に増加させて評価できるTMは、DDD PM設定の最適化に有用である。
【症例】修正大血管転位・心室中隔欠損・肺動脈弁狭窄・Fontan術後の8歳男子。洞性徐脈、房室ブロック (AVB)による症候性徐脈を認め、DDD PMを留置、AAI+managed ventricular pacing (MVP): 70-160 bpm、paced/sensed atrioventricular interval (AVI); 150/120 ms、post-ventricular atrial refractory period (PAVRP); autoの設定とした。しかし、その後、朝のだるさで学校の欠席が増加した。PMログで、頻回の心房頻拍/細動(AT/AF)が確認された。PM設定の最適性再評価のため、TMを施行した。TM中、運動時にrate dependent advanced AVBが出現し、洞調律は176 bpmまで上昇した。洞調律 166 bpmのところでPM 2:1房室ブロックになり、心室調律が半減して呼吸苦を生じた。 PM設定をAAI+MVP; 70-180 bpm、paced/sensed AVI; 120/100 ms、PVARP fixed; 220 msに変更し、症状の改善がみられた。PMログのAT/AFは洞性頻脈と判断した。
【考察】身体活動量が大きく、洞調律の変動範囲の大きな複雑先天性心疾患小児では、安静時のみならず運動時までを含めたPM設定の最適化が必要である。評価者の面前で洞調律を日常の上限まで連続的に増加させて評価できるTMは、DDD PM設定の最適化に有用である。