[III-SY20-01] Fallot四徴症における早期予防的経皮的肺動脈弁バルーン治療の臨床効果
Keywords:右室流出路狭窄, カテーテル治療, 予後
【目的】Fallot四徴症の当院治療戦略は、進行性チアノーゼに対して体肺動脈短絡(APS)を経て心内修復を行った前期(1999-2006年)から、選択的に経皮的肺動脈弁バルーン治療(BVP)によるAPS回避を狙った中期(2007-2016)を経て、肺動脈弁輪径(PVD)Z値≦-2.0に対してチアノーゼの有無によらず予防的BVPを積極的に行う後期(2016-2021)へ変遷してきた。その治療戦略における予防的BVPの臨床効果を検証する。
【方法】体肺動脈短絡術を含めた生後6か月以内の外科介入の有無、心内修復時年齢、弁輪温存の有無を評価項目として治療戦略変遷による予後変化とそのリスク因子を抽出した。
【結果】対象185例 [SpO2:90(83-94)%;PVD-Z値-2.52(-3.61--1.47)]においてBVP計87例[生後58(27-167)日、体重4.1(3.3-6. 3)kg]を実施した。前期(N=62):中期(N=78):後期(N=45)においてBVP実施率はそれぞれ19%:54%:73%であった(P<0.001)。APSは62%:47%:25%と時期変遷につれ減少し(P=0.001)、心内修復は低年齢化したが[22(15-27)か月:19(14-24)か月:14(11-17)か月,P<0.001]、弁輪温存例に有意差はなかった(43%:53%:65%;P=0.094)。SpO2(オッズ比0.80;95%信頼区間0.89-0.97;P<0.001)とBVP実施年齢(オッズ比0.99;95%信頼区間0.98-1.00;P=0.048)が生後6か月以内の早期外科治療の有無に関連していた。
【結語】積極的な予防的BVP実施と心内修復低年齢化に伴いAPS回避が実現され、より早期の予防的BVPが早期外科介入回避へつながる可能性が示唆された。
【方法】体肺動脈短絡術を含めた生後6か月以内の外科介入の有無、心内修復時年齢、弁輪温存の有無を評価項目として治療戦略変遷による予後変化とそのリスク因子を抽出した。
【結果】対象185例 [SpO2:90(83-94)%;PVD-Z値-2.52(-3.61--1.47)]においてBVP計87例[生後58(27-167)日、体重4.1(3.3-6. 3)kg]を実施した。前期(N=62):中期(N=78):後期(N=45)においてBVP実施率はそれぞれ19%:54%:73%であった(P<0.001)。APSは62%:47%:25%と時期変遷につれ減少し(P=0.001)、心内修復は低年齢化したが[22(15-27)か月:19(14-24)か月:14(11-17)か月,P<0.001]、弁輪温存例に有意差はなかった(43%:53%:65%;P=0.094)。SpO2(オッズ比0.80;95%信頼区間0.89-0.97;P<0.001)とBVP実施年齢(オッズ比0.99;95%信頼区間0.98-1.00;P=0.048)が生後6か月以内の早期外科治療の有無に関連していた。
【結語】積極的な予防的BVP実施と心内修復低年齢化に伴いAPS回避が実現され、より早期の予防的BVPが早期外科介入回避へつながる可能性が示唆された。