[III-SY20-03] 右室流出路ステント留置術の現状
キーワード:フォロー四候症, チアノーゼ, カテーテル治療
ファロー四徴症や類似の血行動態を示す両大血管右室起始症では,待機的に心内修復術が可能な症例での治療成績は比較的良好である.一方で,肺動脈の低形成や強い右室流出路狭窄のために,新生児期や乳児期早期から重度のチアノーゼを呈する症例では予後を含めて治療方法の選択が難しい場合がある.この場合の治療選択肢として,右室流出路ステント留置術があげられる.当初は,海外でも従来のBTシャントなど外科的な姑息術が難しい低体重児や合併疾患のある児などのハイリスク症例で施行されてきたが,手技への習熟,ICU滞在を含めた周術期管理の容易さ,左右差の少ない肺動脈の成長等の利点に伴いその適応が拡大されている.一方,国内においては,ハイリスク症例への実施が始まった段階といえる.当治療法について当院での位置づけを含めて解説する.