The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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多領域シンポジウム

多領域シンポジウム1(III-TRS01)
先天性心疾患の子どもの生活の質を高める身体活動や運動への介入を考える

Sat. Jul 23, 2022 8:30 AM - 10:00 AM 第4会場 (中ホールA)

座長:権守 礼美(認定NPO法人シャイン・オン・キッズ 小児看護専門看護師)
座長:藤田 吾郎(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター リハビリテーション科)

[III-TRS01-03] 先天性心疾患児の体育指導についての教員に対するインタビュー

本間 尚史 (市立札幌山の手支援学校)

Keywords:先天性心疾患, 体育指導, 心理的支援

本発表では、先天性心疾患児と関わった経験のある通常学校及び特別支援学校の教員らを対象に、「体育や学校行事等における先天性疾患児の姿や配慮について、どのように考えてきたか」について、聞き取った結果を報告する。
通常学級では、先天性心疾患児の学校生活は、「心臓の病気」というイメージから過度な制限になりがちな現状であると言われている。本報告でも、対象児が可能な運動を設定してあげたいという思いをもちつつも、「この運動は工夫すればできるかもしれない、でも、させてよいのだろうか?」などと葛藤していた。また、「活動制限に合わせた先天性心疾患児の指導法及び活動の工夫を知りたい」等といった意見も見られ、これらへの支援も必要と思われた。
ある特別支援学校では、学校生活管理指導表の情報に加えて、今後予定されている体育の指導計画を通院時に本人(保護者)に持参してもらい、体育の活動の中で可能な動きについて詳細に確認していた事例が見られた。そうすることで、対象児の実態によりあった指導支援につながっていた。そして、運動できる喜びを対象児は感じるとともに本人の病状への理解につながる姿が見られ、「自立活動」にある「健康の保持」の病状理解、自己理解が促されていた。
また、運動制限がある児童生徒には、総じて、状況に応じた心理的支援の必要性があると思われた。ある教諭からは、「小学校高学年になるくらいから、周りと同じようにできなくなってくる部分が増え、児童が辛そうになってきている」という声もあった。このことから、他者との違いに敏感になり自己理解を迫られる思春期以降において、同じ悩みをもつ者が出会える心理的支援が有効であると思われた。