[III-TRS01-04] 学童期の運動と活動-看護師の立場から、なにができる?-
Keywords:先天性心疾患, 運動, 学童
成人先天性心疾患患者が増えている昨今、小児期の運動療法が成人期のQOL向上につながることが明らかになっている。先天性心疾患の子どもは、新生児期から乳幼児期に手術を受けることがほとんどであり、看護師が学童期の子どもに関わる機会は検査による短期入院や外来受診の際であることが多い。入院中の子どもは検査を目前に緊張していたり、検査後で苦痛や疲労を感じていたりする。外来受診中は、看護師が子どもと接する時間が限られる。そのため、学童期の子どもの日常生活や学校生活にまで踏み込んで支援する前に退院や帰宅となってしまう…。多くの施設では、これが現状ではないだろうか。
当施設は2020年度より小児病棟と小児科外来の看護が一元化したため、入院中に関わった子どもや家族と外来で再会するようになった。看護師は、診察前に子どもの酸素飽和度を測定しながら、子どもや家族と「おうちに帰ってからの生活で困ることはない?」「学校はどう?」などの何気ない会話をする中で、学校生活について情報収集ができるようになった。また、新生児・乳児期に手術を受け、心臓カテーテル検査のとき以外は入院せず、半年から1年に1回の外来受診をしながら成長発達してきた子どもや家族にも関わる機会になる。このような場面で、感染予防のために学校を休んでいた生活から、登校して学校での活動を増やしていく生活に変化する流れを知ったり、学校の担任や養護教諭への説明の役割を家族が担い、活動内容や活動量を調整していたりすることを知った。現在は、外来・入院というそれぞれの場を活かし、生活への支援やセルフケア支援、移行期を見据えた支援などについて模索し始めている。一施設の現状にはなるが、看護としての立場から、子どもや家族の現状をご紹介したい。多職種が集まる貴重な場において、「学童期の運動と活動」に関する支援について、日頃の関わりの参考になる話し合いができればと考えている。