第59回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

委員会企画パネルディスカッション

委員会企画パネルディスカッション(I-CPD1)
本邦の小児心臓手術の現状と地域拠点化、次世代育成の方策

2023年7月6日(木) 13:30 〜 15:00 第1会場 (G3)

座長:山岸 正明(奈良県立医科大学), 座長:岩本 眞理(済生会横浜市東部病院総合小児科)

[I-CPD1-02] 先天性心血管疾患手術に関する日本国内の現状調査 解析結果報告

平野 暁教, 瀧聞 浄宏, 犬塚 亮, 野村 耕司, 落合 由恵, 大崎 真樹, 中野 俊秀, 岩本 眞理, 山岸 正明 (日本小児循環器学会 次世代育成員会 情報収集WG)

キーワード:次世代育成, 施設調査, regionalization

【背景と目的】日本小児循環器学会には、先天性心疾患のこどもたちへの高度な心臓血管外科手術を次世代に継続して、安定して提供するために、各地域の状況に応じた医療体制の構築を主導していく使命がある。昨年度に学会が実施した2017-2019年の三年間の手術症例調査についての結果報告を行う。【結果】小児心臓外科手術を行っている90施設の回答を集計。今回の調査で把握できた手術総数は16710件(年間小児心臓手術数を9000件/年とすると調査で約62%を把握した推定). 手術に関する解析は、地域ごと、施設の手術volumeごとで行い、詳細は当日供覧する。今回の調査で年間手術数 121例以上の施設(年間手術数 200例以上に相当)は11施設(12%), 91~120例(年間手術数 151~200例に相当)の施設は10施設(11%), 61~90例(年間手術数 101~150例に相当)の施設は20施設(22%), 31~60例(年間手術数 51~100例に相当)の施設は18施設(20%), 30例以下(年間手術数 50例以下に相当)の施設は31施設(34%)であった。年間150例以上の小児心臓手術実施施設の総数は21施設(23%)であった。小児心臓外科医の数は、60歳以上 33名, 55~59歳 29名, 50~54名 27名, 45~49歳 48名, 40~44歳 46名, 31~40歳 134名, 30歳以下 35名. 施設の総手術症例数に対する各術式の推定実施症例数についても算出した。独立したPICU開設は33施設(37%)にあり, 小児に関わる集中治療医の数は421名, 5名以上のPICU医を擁する施設は30施設(33%)、主な術後管理を集中治療科が実施している施設は29施設(32%)であった。【結語】今回行なった施設調査の解析を報告した。今後はこのデータをもとに地域連携の在り方を模索し、よりよい小児心臓医療の提供につなげることが必要である。