The 59th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演

成人先天性心疾患

一般口演(I-OR09)
成人先天性心疾患

Thu. Jul 6, 2023 10:10 AM - 11:20 AM 第7会場 (G314+315)

座長:石戸 博隆(埼玉医科大学総合医療センター小児科小児循環器部門), 座長:三浦 大(東京都立小児総合医療センター 循環器科)

[I-OR09-02] 当院におけるDown症候群の移行期医療の現状、先天性心疾患の有無に関連して

内田 英利, 齋藤 和由, 浅井 ゆみこ, 鈴木 大次郎, 鈴木 孝典, 小島 有紗, 畑 忠善 (藤田医科大学 医学部 小児科)

Keywords:ダウン症候群, 成人先天性心疾患, 移行期医療

【背景】Down症候群(DS)は、50%に先天性心疾患(CHD)を合併するが、他にも様々な全身症状を呈する。近年、早期診断、治療がなされることで多くの患者は成人を迎え、平均寿命は60歳を越えると言われている。わが国には約8万人のDSの患者が生活し、その半数以上が18歳を越えていると推定され、成人への移行医療が極めて重要と考えられる。特にCHDを有する場合は小児循環器科から循環器内科への移行が必要となるが疾患特有の合併症に加えて、年齢依存的な合併症に留意しなくてはならず、移行が進んでいないのが現状である。【目的】当院におけるDS患者の移行期医療について現状を把握し、CHDの有無との関係を検討する。【方法】1998年から2007年までに出生し当院で診療を行なった15歳以上のDS患者27例について診療録から後方視的に検討した。検討項目は年齢、性別、CHDの有無、心疾患以外の合併症、現在の通院状況とした。【結果と考察】年齢は15歳から24歳で男女比は14:13。27例中CHD症例は18例(67%)、うち4例は当院通院中、14例はVSD閉鎖などでフォロー終了あるいは他院通院中だった。通院中の4例は小児循環器でフォローアップされ、いずれも循環器内科移行準備中だった。そのうち未治療のcAVSDでEisenmenger症候群となった症例と、cAVSD+TOFの心内修復術後でてんかん合併症例の2例は、循環器内科移行が今のところまだ難しい状況である。甲状腺疾患、消化器疾患などの心疾患以外の合併症についての内科移行はスムーズに行われていた。当院ではCHDの循環器内科への移行はICR後や、合併症なしの症例から進めている。重症または複雑な合併症を有する症例は受け入れ体勢を徐々に準備中である。【結論】当院ではDS患者の内科移行はスムーズに進んでいるのが現状である。CHD合併症例は概ね移行は進んでいるが、重症または複雑な合併症を有する症例の受け入れ態勢の構築が当面の課題である。