第59回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演

カテーテル

一般口演(I-OR13)
カテーテル治療2

2023年7月6日(木) 15:40 〜 16:30 第7会場 (G314+315)

座長:片岡 功一(広島市立広島市民病院 循環器小児科), 座長:齋木 宏文(岩手医科大学 小児科)

[I-OR13-03] シースサイズアップによるperipheral cutting balloon回収法

塚田 正範, 阿部 忠朗, 堀口 祥, 馬場 恵史, 小澤 淳一, 沼野 藤人, 齋藤 昭彦 (新潟大学医歯学総合病院 小児科)

キーワード:カッティングバルーン, カテーテル治療, トラブルシューティング

【はじめに】peripheral cutting balloon(PCB)はブレード付のバルーンであり硬い血管病変にも効果的であるが、deflationの際にヒラメ状にたたまれると、シースへの回収が困難となることがある。カテーテル交換用バルーンであるKUSABIを用いてシースをサイズアップし、ヒラメ状のPCBを回収する方法を考え、体外実験を行った。実際の症例でも回収が可能であったので報告する。【方法】6F 50㎝シース、PCB、0.018’ 300cmガイドワイヤーのシステムに対し、6Fシースより少し短い8F 45cmシース、KUSABIを用意する。8Fシース内にKUSABIを通しておき、シース先端からバルーン部分を出しておく。次に、PCBのハブと6Fシースのハブを、ガイドワイヤーを切らないようにメス刃を用い切断し、システムから取り除くことで、6Fシース、PCBともにシャフトのみとなり、6Fシース外径より太い部分がなくなる。6Fシース切断の途中から出血が多くなるので以後の操作を手早く行う。ガイドワイヤーを8Fシースの先端からKUSABIの横を通してハブから出す。その後、KUSABIを6FシースとPCBシャフトの間に挿入、inflationし、PCBのシャフトと6Fシースを固定する。8Fシースを6Fシースに被せるように進め、必要であれば皮切を加え体内に挿入し、6Fシース先端、PCB近位部まで進める。この時、6Fシースの方が長いため6Fシースの近位部は8Fシースより出ている状態である。この状態を維持し、慎重にPCBを8Fシース内に回収する。実験ではスムーズに回収ができた。この方法により、実際の症例でもヒラメ状のPCBを回収する事ができ、8FシースからPCBを抜去後に造影を行い、血管損傷の有無を確認した。【まとめ】カテーテル交換用バルーンを用い、PCBと元のシースを固定し、より太いシースの中に回収する事が可能であった。この方法は、PCB回収困難時の解決法となりうると考えられる。