[I-P01-4-06] 内腔径を基準としたLasso法による左心低形成症候群への両側肺動脈絞扼術の成績の検討
Keywords:両側肺動脈絞扼術, 左心低形成症候群, 内腔径
【背景】左心低形成症候群への両側肺動脈絞扼術(bPAB)の適切な調節と評価は極めて難しい。当院でのPA内腔径1.3-1.5mmを目標としたLasso法によるbPABの成績を検討した。【方法】2019年から2022年の左心低形成症候群18例。TEEまたはTTEでPAB内腔径、流速を測定しながらクリップで絞扼調整を行った。【結果】手術日齢5.1±4.2日、体重2.8±0.3kg。術前PA内腔径右4.3±0.9mm、左4.4±0.8mmから、Lasso法によるPAB後内腔径は右 1.3±0.2mm、左 1.4±0.2mmへと減少した。PAB後左1.2mmの1例は左PA閉塞によりDeclipを要したが改善した。重症TRの1例は術後9日目に心不全改善せず死亡したが、17例はNorwood手術に到達した。日齢44±23日でNorwoodを実施した。術前内腔径は右1.4±0.4mm、左 1.4±0.3mmとPAB直後と優位な変化はなかった。全例Norwood術時のDebandingのみでPA拡張を得られた。17例中6例がNorwood後(術後死亡3例)、7例がBCPS後(術後take down 1例)、4例がTCPC終了。Norwood、BCPS、TCPC到達時点での右PA径/左PA径比は1.2±0.3、1.1±0.2、1.0±0.3、PA indexは 98±26mm2/m、99±20mm2/m、131±18mm2/mと左右差なく成長した。【結語】内腔1.2mm以下は閉塞のリスクがあるものの、内腔径1.3-1.5mm目標としたLasso法によるbPABは適切な肺血流制御と肺動脈成長が可能であった。