[I-P03-3-08] 当院における1.5心室修復の適応について検討
キーワード:1.5心室修復, PA IVS, 21 trisomy
【緒言】当院では治療戦略として1.5心室修復の明確な基準を設けておらず、2心室修復(BVR)もしくは単心室修復(UVR)に進む上で1.5心室修復に進む事になった症例を経験。その上で1.5心室修復を考慮している症例を通して適応について検討。【症例①】PA.IVSの女児。出生時三尖弁輪径(TVD) 6.7 mm (63 % of N, Zscore -2.4)であったが開放制限を認めた。PTPVを行いBVRに進んだが、5歳時にCVPの上昇、心房間の右左短絡によるチアノーゼの進行を認め、1.5心室修復を施行。【症例②】21 trisomy, cAVSD, hypo RVで2歳時にTCPC施行。術後大量胸水でtake downし胸水消失。チアノーゼの進行もあり5歳13 kgで1.5心室修復を施行。【症例③】21 trisomy, cAVSD, hypo RV、AVVR: moderateと増悪認め、将来的な1.5心室修復を考慮しつつ、生後3ヶ月、5.1 kg時に心房間交通残しのBVR施行し現在4歳で経過安定。【症例④】21 trisomy, cAVSD, hypo RV, CoAでCoA repair + MPA banding後の生後7ヶ月時にチアノーゼ進行あり。将来的な1.5心室修復を考慮しつつ、BDG + additional shunt (MPA banding tightning)施行。術後大量胸水にてtake downし胸水消失。体重増加待って治療方針検討中。【考察】PA.IVS症例は、RV rehabilitationの為に新生児時期より積極的にPTPVを行いBVR症例が増加。統計上TVD 50 % of N, Z score -3.1以上あればBVR可能であったが、TVDが基準内でも弁の開放制限を持つ症例は遠隔期にCVP上昇を認める可能性がある。21 trisomyはRpが高くUVR困難である事が多く、特にhypo RV症例に関しては、1.5心室修復に進む事も想定した治療戦略が必要であるが、手術介入時期や体重を考慮する必要がある。【結語】現状で21 trisomyのhypo RV症例に関しては1.5心室修復を考慮した治療戦略も考慮しているが、遠隔期予後が不明。PA.IVSでBVRからの1.5心室移行例は1例であるがTVの可動制限症例であり類似例に注意が必要